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    <title>MRIC by 医療ガバナンス学会</title>
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    <updated>2012-02-02T21:23:06Z</updated>
    
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    <title>Vol.390　「高額療養費制度見直し」の議論を振り返って－医療費負担に平等を求めてはいけないのでしょうか</title>
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    <published>2012-02-02T21:00:00Z</published>
    <updated>2012-02-02T21:23:06Z</updated>

    <summary>東京大学医科学研究所　 特任研究員・看護師　児玉有子 2012年2月3日　ＭＲＩ...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[東京大学医科学研究所　<br />
特任研究員・看護師　児玉有子<br />
2012年2月3日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[私は2009年以来、高額療養費制度見直しの研究に従事しています。また、昨年11月からは、大谷貴子委員（全国骨髄バンク推進連絡協議会　前会長）の代理として、社保審医療保険部会に出席する機会を頂戴しました。<br />
この会合に出席して感じたのは、いずれの委員も問題を深く理解してくださっていることでした。特に会議後の雑談の中で、樋口恵子委員（NPO法人高齢社会
をよくする女性の会、理事長）から「ほんとにかかった病気で差が出るなんておかしなことだと思うのよ」と声をかけてくださったことは、とても心強く、ありがたく思いました。とりまとめられた意見書でも「がんの患者など長期にわたって高額な医療をうける方が増えており、これらの方の負担を軽減し、医療保険の
セーフティーネット機能の強化が求められている」と記されており、これは委員の総意だと思います。<br />
ただ、このような委員の意見は、高額な医療費負担で悩む患者・家族の元には届いていません。今回は、この問題をご紹介させて頂きます。<br />
<br />
2011年、高額療養費制度の問題は、社保審医療保険部会だけでなく、税と社会保障の一体改革や規制改革会議でも議論されました。<br />
2010年までの議論のポイントは、「平成24年度から自己負担限度額を超える場合には、負担上限額を支払うだけにする」という新たな仕組みを導入するこ
とでした。2010年12月に、この方針が発表されています。しかしながら、2011年、ここから一歩も議論は進みませんでした。それは財源について、コンセンサスが得られなかったからです。<br />
<br />
2011年、厚労省から提示された案は、「受診ごとに各人から100円徴収し、それを財源として、低所得者層とされる区分において最初の3ヶ月が
80,100円から44,000円に、4ヶ月目以降は44,400円を35,000円に減額する。他の区分では、最初の３ヶ月が100～18,100円、
４ヶ月目以降は400円減額する。」というものでした。<br />
この案は、一見良さそうに見えますが、今回の議論の発端となった「がんの患者など長期にわたって高額な医療を受ける方」には何の助けにもなりません。なぜなら、このような患者で問題となるのは、最初の3ヶ月の負担ではなく、4ヶ月目以降の毎月44,000円余りを払い続けなければならないことだからです。<br />
<br />
最初の3回の負担が問題になるのは、大きな手術を受けた場合や突発的な怪我で手術した場合などが想定されます。しかしこのような場合には「高額療養費貸付
制度」（支払額の8―9割の貸し付けを受けることができる制度）の利用や民間保険の利用により、一時期な高額医療費支払いによる経済的負担の緩和が可能で
す。<br />
民間保険会社でも昨年から高額療養費制度の民間版とでもいう商品が売り出されました。しかし、すでにがんと診断されている人は使うことができません。<br />
<br />
がん患者が求めた長期負担問題は、ここまでは全く手つかずのままです。この問題の代わりに、世間の耳目を集めたのは、患者の窓口100円負担でした。あたかも高額療養費問題解決のための財源確保のような報じられ方でした。財政破綻寸前の我が国では、国民皆保険を守るため、給付と負担の議論は避けられませ
ん。患者の窓口負担はモラル・ハザードの問題、受診抑制の危険性と併せて、総合的に議論すべきです。財源の辻褄あわせに関する議論が先行したため、もっと大切な問題が放置されました。<br />
<br />
それは、「平等に医療を受ける権利」です。実は、長期に渡り高額な医療費負担が考えられる疾患には高額療養費制度の他に、様々な医療費補助制度がありま
す。たとえば、「肝炎治療医療費助成」「難病医療費支援制度」、「高額療養費制度の特定疾患（血液透析など）」です。これらの医療費補助制度の適応を受け
ている疾患では、患者の医療費負担は「無料から毎月27,000円程度」となっています。どう見ても、これは不平等です。<br />
<br />
私は、慢性骨髄性白血病（CML）の患者さんから意見を聞く機会が多いのですが、特効薬であるグリベックの他に、肝炎治療でも使用されるインターフェロン
の投与を受けている方もおられます。インターフェロンを使っているCMLの患者さんは、高額療養費制度を利用しながら、44,400円を払い続けていま
す。同じインターフェロンを使う肝炎の患者さんの自己負担は、無料から毎月27,000円です。病名が違えば、自己負担が違います。CMLの患者さんから
「肝炎だったらよかった」と言われた時、私は言葉を失いました。この問題を放置しておいていいのでしょうか。<br />
<br />
窓口で徴収する金額を100円にした根拠は、1300億円に収入が見込まれるからだそうです。ちなみに、一昨年、厚労省は「制度改善に必要な予算は
2600億円」と発表していました。我々の試算（ http://medg.jp/mt/2010/10/vol-321-2600.html 
）では、長期に高額な医療費を支払い続けている患者の負担改善に新たに必要となるのは550億円程度です。厚労省は情報開示を進め、もっと広く議論すべき
です。<br />
<br />
高額療養費の問題については、民主党は2009年のマニフェストで見直しを明言しています。他の政党は2010年マニフェストで見直しについて記しています。確かに、民主党は医療を重視しており、政権交代以後、大病院の診療報酬を引き上げ、勤務医の労働環境は改善されつつあります。一方で、患者の経済負担
は置き去りです。<br />
現在、国会では社会保障と税の一体改革に関しての審議が行われています。これからの審議でどのように議論されるのか、多くの患者、家族、国民は注目しています。<br />
　<br />
最後に、本年4月から同一医療機関での同一月の窓口負担が高額療養費の自己負担限度額を超える場合は、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめる取扱い（「現物給付化」）が導入されます。これは調剤薬局や訪問看護にも適応されます。この改正により、窓口での一時的は大きな支払いをしなくてもよくなりま
す。このことはかなりの前進であることに違いありません。無事に省令を改正してくださり、また改正に伴い、様々な準備をしてくださる保険者の皆様に心から
感謝申し上げます。]]>
    </content>
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    <title>Vol.389　『ボストン便り』（第34回）子どもを守る大人の活動―相馬・南相馬再訪</title>
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    <published>2012-02-01T21:00:00Z</published>
    <updated>2012-02-01T21:29:48Z</updated>

    <summary>ハーバード公衆衛生大学院リサーチ・フェロー 細田　満和子（ほそだ　みわこ） 20...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[ハーバード公衆衛生大学院リサーチ・フェロー<br />
細田　満和子（ほそだ　みわこ）<br />
2012年2月2日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[紹介：ボストンはアメリカ東北部マサチューセッツ州の州都で、建国の地としての伝統を感じさせるとともに、革新的でラディカルな側面を持ち合わせている独
特な街です。また、近郊も含めると単科・総合大学が100校くらいあり、世界中から研究者が集まってきています。そんなボストンから、保健医療や生活に関
する話題をお届けします。<br />
（ブログはこちら→http://blog.goo.ne.jp/miwakohosoda/）<br />
<br />
●相馬の子どもたち<br />
12月25日のクリスマスの日、雪のちらつくボストンのローガン国際空港に降り立ちました。12月19日から21日までの短い福島県相馬市・南相馬市再訪
の最終日も、ちょうどこんな雪の降り始めの天気でした。5月に訪れたこの地には、まだ海沿いから国道6号線にかけて広く津波の傷跡が残っていました。その
頃と比べて、今回はだいぶ片付いてきているように見えました。家を失った方々は、震災直後の避難所からすでに仮設住宅に移っておられ、津波で壊された１階
を補強して自宅に戻られた方もいらっしゃいました。<br />
この地域では、津波による被害に加えて、東京電力の原子力発電所の爆発事故に関連する放射能による被害も甚大です。避難区域のために未だに自宅に戻れない
人は多数おられて、農業や産業の復旧の目途も立っていないところも多いという状況です。人体への中・長期的な影響は実態がよく分からない中、安全性を誇張
する専門家がいるかと思えば、危険性を指摘する専門家もいて、人々の戸惑いが感じられました。そして、安心できる環境を求めて他の地域に避難する方、覚悟
を決めてこの地に残る方、それぞれの選択をしていらっしゃいました。<br />
相馬の子どもたちはどうなっているのだろう。このことが、ずっと気になっていました。今回やっと訪れることができ、子どもたちを守ろうと立ち上がった沢山
の大人たち―お父さん・お母さん、保育園や小中学校や高校の先生、塾経営者、相馬フォロアーチームなど―と出会いました。ここではそうした子どもを守る大
人たちが語ってくれた活動、気持ち、課題などについて記していきたいと思います。<br />
<br />
●放射能の除染<br />
但野氏は、保育園と小学校に通う3人のお子さんのお父さんで市役所の職員でもあります。ご本人曰く「一介の木っ端役人」だったのが、震災を機に「自分でで
きる事をやろう」と思い、7月から活動を始めたとのことでした。最初は除染をやってみましたが、汚染された土の捨て場所がない中での作業に限界を感じ、現
在は内部被曝を防ぐために、食品検査体制や環境濃縮の監視を進めようとするいくつかの市民団体の取りまとめ役を、ボランティアでなさっていらっしゃいま
す。<br />
折しも新聞では、自宅で採れた野菜や果物を食べている親と、スーパーで買った遠隔地のものを食べていた子どもでは、同じ家族でも体内のセシウムの値が20
倍も異なることが報道されました。内部被曝を避けるためには、食べ物の選択が重要なことが改めて示されたのです。食品における放射性物質の濃度を測ること
は、どんな食品が安全でどんな食品は避けた方がいいのかを、自分で判断するために、不可欠です。食品検査体制を整えようとする但野さんの活動は、まさに子
どもたちを内部被曝から守るために必要なことでした。<br />
これと同時に但野氏は、相馬の農家を守ることにも尽力しています。そこで、放射能に汚染された土壌を改良する研究を企画している大学や研究機関の農学部や
原子核物理の研究者と、相馬の農家や市民団体とのパイプ役を務めています。但野さんは、将来にわたる食の安全のため、子や孫の代に残せる農業を守るため、
この研究が行われることに期待しています。<br />
放射能対策の情報発信やスロー・ナチュラルライフの提案をする「Team One Love」代表の酒井氏、子育てサロンを開催したりブログで情報を発信したりしている「そうま子どもさぽーと」の白石氏も、子を持つお母さんであり、この活動に関わっていらっしゃいました。<br />
<br />
●安心を創る<br />
相馬保育園園長の中江千枝子氏も、この活動に参加するおひとりでした。中江氏は、震災以来、子どもたちの外部被曝と内部被曝を防ぐため、できる限りのあらゆることをしてきました。<br />
たとえば、保育園で出す給食の食材は、遠隔地のものか食品検査済みのものだけを使用し、飲料水は調理用も含めてすべてペットボトルを使用し、子ども達には
水道水を一滴も飲ませていないとおっしゃっていました。一日に80から100リットル必要ですが、寄付を得たりしながら確保しているとのことでした。ま
た、園長自ら屋根に上って高圧洗浄機で除染を行い、園庭も表土も大型重機で削って、2ｍ80ｃｍまで掘った穴に埋めました。しかし、それでも子どもたちを
園庭では遊ばせず、今のところバスの乗り降り時に使用するにとどめています。また、独自で線量計を確保し、保護者に貸し出したりもしています。保護者自身
に家庭内の線量を知ってもらい、子どもの安全のために役立ててほしかったからです。実際に、保護者が保育園の線量計を借りて、テラスにおいてあるベビー
ベッド付近を測ったら高い線量が出たので移動させた、ということもあったそうです。<br />
中江氏は、外で遊べない子どもたちの運動量を補うため、講師を呼んで体操教室を開いたり、室内で水のないプール遊びを実施したりもしています。毎年恒例の
園庭でのそうめん流しも工夫して室内で行いました。ただそれでも運動不足のため、この頃、子ども達が転びやすくなったり、左右の手足を交互に前に出す行進
ができなくなったりしてしまったと、心配そうな表情でおっしゃっていました。<br />
<br />
震災後間もないころ、食糧がなかなか手に入らなくなったとき、寄付でいただいたメロンパンをおやつに出したところ、子どもたちは手を付けようとしませんで
した。家にいる家族と一緒に食べたいというのです。これに心を打たれた中江氏は、この素晴らしい子どもたちが健やかに育つことができる環境を作らなくては
ならないと改めて思ったといいます。<br />
相馬保育園は、但野氏がお子さんを通わせている保育園でもあります。そして、但野さんご自身も卒園生です。40年間園長を務め、親子2代を知る園長の姿には、この地の子ども達を守ってきたという誇りと喜びが感じられました。<br />
<br />
●子どものこころのケア<br />
相馬フォロアーチームは、震災直後、子どもたちの心のケアが最重要だと考える相馬市長立谷氏の発案で結成された、スクールカウンセラーや心理職や保健師な
どの専門家によるNPOです。構成員は6名で、発達障碍児への教育を全国展開している星槎グループからも3人の専門家が、ボランティアでチームに参加して
います。<br />
フォロアーチームの目的は、被災小中学校に心理ケアの専門家を派遣し心のケアを行い、学力の向上を支援することで、日々、試行錯誤を繰り返しながら活動し
ています。子どもたちの中には、震災の影響で夜眠れなくなった子や学校に来られなくなった子、落ち着きがなくなったり、イライラしたり、急に突拍子もない
行動をとったりするようになった子も出てきているといいます。<br />
<br />
チームのメンバーで精神保健福祉士の吉田氏は、もともと対人関係が苦手であったり、変化への適応が難しかったり、独特の気質を持った子どもたちが、この新
しい状況においてどのように対応していったらよいのかわからず、戸惑い、気持ちをコントロールできず「問題」とされる行動に出てしまうのではないかと分析
します。そして、その子と関わりを持つ人たちとの関係を整えてゆくことで、問題を解決の方向に進めていこうとしています。<br />
教師の言葉に傷ついて、腹痛などの身体症状を訴える生徒もいたといいます。教師自身、かつての教え子が震災で亡くなったり、放射能の影響で妻子が遠方に避
難したり、学校も継続されるかわからないので生活や雇用に不安を抱えたりしています。そのような状況で極度のストレスを感じ、そのはけ口が子どもに向かっ
てしまっていることもないとは言えないということでした。<br />
<br />
自主避難や家族を助けるために県外に行った教師も一部にはいました。ただしほとんどの教師は、震災後、休む間もなく在校生の安否を確認したり、生徒一人一
人に面接して状況把握に努めたりして、教師としての責任を全うしてきました。二本松氏は、8月の人事で相馬高校校長になりましたが、「1000年に一度の
災害なのだから、1000年に一度の対応をしなくてはいけない」といい、前例にとらわれる教育委員会と教育の現場との温度差に憤りを感じつつ、人を育てる
という使命を掲げて、避難区域となった3つの高校を受け入れてきました。<br />
4つの高校が一つの校舎を共有する状況で、生徒たちのトラブルは一つも上がってこなかったそうです。不便もずいぶんあっただろうに、我慢してきたのだろうと、二本松氏は生徒たちに思いやりの心を感じたといいます。<br />
<br />
このように何人かの方のお話を聴くことで、表面に見える変化があってもなくても、子どもたちの心の揺れを、たくさんの大人たちが気にかけ、見守り、寄り
添っている様子を知ることができました。大人たちももちろん苦しい状況にあるわけですが、なんとか子どもを守ろうと活動している姿に、何だか暖かい気持ち
になりました。<br />
<br />
●仮設の中の見えづらい問題<br />
相馬フォロアーチームには、「難民を助ける会」に所属している横山恵久子氏も参加しています。横山氏は相馬市だけでなく、南相馬市や双葉町などの仮設住宅
をこまめに回り、従来から持っているネットワークを発揮したり、新たにネットワークを作ったりしながら、現場本位での支援に奮闘しています。そんな横山氏
は、仮設に住む子どもたち、特に女子中高生の居場所が必要だと訴えていました。<br />
仮設は住む家を失った方々が一時的に住むところですが、多くの方は家と共に職も失っています。津波に襲われた元の家の場所に家を建てることもできず、放射
能への不安からこの地に住み続ける決断をすることも難しく、再就職のあてもなく、無為の日々を過ごしておられる方々がたくさんいらっしゃるといいます。そ
のような方が行ける場所は、昼間はパチンコ屋、夜は飲み屋ということで、中にはアルコール依存症のようになっている方もいるそうです。また横山氏の印象で
は、6割くらいの仮設入居者の方々が、夜眠ることができずに精神安定剤を飲んでいるということです。<br />
<br />
そのような中で、真っ先に影響を受けているのは子ども達です。ある家に寄り付かなくなった母親の子どもは、まだ幼児と言っていい年齢なのに、昼夜となく一
人で仮設の敷地を出歩いています。横山氏は、その子が人形を地面に埋め、その上を踏みつけている姿を見て、このままではいけない、何とかしなければと思っ
たそうです。しかし、これまでの経験から横山氏が母親に声を掛けると、その子が母親に叩かれることを知っているので、静観せざるを得ないそうです。ネグレ
クトという虐待だと思うものの、児童相談所はなかなか動いてくれず、この先どのようにしたらいいか思案しています。<br />
いくつかの仮設では、女子中高生が酔っぱらった入居者に絡まれることもあるといいます。さらに、離婚や再婚が多い土地柄、血のつながらない父親と狭い仮設
に同居しなくてはならない女の子たちの辛さも横山氏は知っていました。そして、せめて静かに一人になれる場所を提供したいと思っているのでした。<br />
<br />
相馬高校の養護教員である只野氏も、子ども達には居場所が必要だとおっしゃっていました。震災後、学校が通常より遅れて4月18日に始まった当時、学校に
来るなり保健室を訪れる生徒がいました。避難所では一人で泣ける場所がなかったのでしょう。保健室にはカーテンで仕切られたベッドがあるし、その子にとっ
ての居場所だったのだろうと只野氏は思っています。その生徒は両親が離婚し、祖父母に育てられていましたが、一人でいるときに地震が起き、4月になってか
らはお祖父さんが亡くなるという不幸が続いたといいます。もともとあった家族の問題や将来への不安感が、親による子どもに対する攻撃的な言動に表れてし
まっていることも少なくないといいます。この絡み合った状況は、誰かが悪いという単純な構図ではなく、丁寧にひも解いてゆき、解決のための手段を早急に見
付けなくてはならないでしょう。<br />
<br />
●これからの子どもたち<br />
南相馬市で震災前は3つの塾を経営していた番場さち子氏も、子どもを守る大人の代表です。震災直後も、放射能の影響があってもこの地に残る覚悟でしたが、
病気を持つ親の避難に付き添い、南相馬を離れて避難所暮らしをしました。その後、東京に住む息子さんのところにしばらく行っていましたが、「先生、塾いつ
からやるの？」という言葉をかけてきた、たった一人の高校3年生の塾の生徒のために南相馬に戻ってきました。番場氏は、日本の将来を担うような医師や科学
者を自分の手で育てたいと思って、南相馬で28年間、塾の先生をしてきました。震災後、子どもたちが戻ってこない状況の中で、知人の弁護士に自己破産を勧
められましたが、塾に生徒がいるうちは続けようと思い、今まで頑張ってきたのです。<br />
原町高校には、12月の時点で52%の生徒が戻ってきたといいますが、主に3年生で、2年生や1年生は3分の1くらいしかいません。この先、子どもたちが
戻ってくるかどうか、むしろ新年度になって、南相馬から出てゆく家族もいるのではないかと番場氏は危惧しています。南相馬では、なかなか復興へのかじ取り
がうまいっておらず、市民の不安は高まっているといいます。目抜き通りの店も半分くらいしか営業しておらず、子どもたちの好きだったマクドナルドも閉店し
ています。相馬フォロアーチームの活動にも興味を持ってくださった番場氏は、筆者に会うために相馬まで来てくださいましたが、帰りにたくさんのマクドナル
ドのハンバーガーをお土産に買っていきました。子どもたちの笑顔で迎えられたことは言うまでもありません。<br />
<br />
●福祉の僻地<br />
中村第二小学校の校長である菅野氏との面会は、5月以来2回目になります。中村第二小学校は、私の娘たちの通っていたボストンの学校で行った寄付とメッ
セージ・カードを届けたところです。420人いる生徒のうち、100人以上が仮設住宅に住んでいます。中村第二小では、9月上旬に校庭で運動会を行いまし
た。屋外で開催することに関しては、事前に保護者に説明をして理解をしてもらったとのことでした。この運動会を機会に、先生も子どもたちも、やっと日常を
取り戻してきたようだったと菅野氏は思っています。菅野氏は、比較的重度の障碍を持つお子さんのお父さんでもあります。お子さんは20歳で、原町にある
ピーナッツというNPOの運営する施設に通っていましたが、震災の影響で人手が足りなくなり、それまでの週5日から週2日しか行けなくなってしまいまし
た。菅野氏は、この震災で、最も弱い人が一番大変な目に遭うのだと改めて思ったといいます。<br />
<br />
障碍児のための県立の施設は富岡町に集まっていましたが、原発事故の避難区域に入っているので全部使えなくなりました。そもそもこうした施設は高等部で終
わってしまい、福島県には、その先のための公立の施設が全くないのだそうです。菅野氏はこれを指して「福祉の僻地」と言っていました。その先をみるNPO
や民間の施設は、一生懸命やっていてもいつも慢性的に人手不足。放射能への不安から多くの職員が避難してしまっています。そうした中で、利用者である障害
を持つ人は行く場所を失い、家族は途方に暮れてしまうのです。<br />
震災で弱者がさらに弱者になってしまうことは、阪神淡路大震災の経験から明らかになっています。番場氏の印象でも、成績の良い子や親の所得や学歴の高い子
たちは、既に県外に転出し、戻ってこないようだといいます。そして、障碍があって移動が容易でなかったり、他県に移る経済的余裕のない人が残るということ
になっているようです。この辺りは厳密な検証が必要なことですが、この地の人の受けている印象として、事実とそんなにかけ離れていないのではないかと思い
ました。<br />
　<br />
●子どもを守る市民の連帯<br />
この地に着いた初日の夜は、ちょうど相馬と南相馬の復興を願う市民有志による忘年会が南相馬の「だいこん」というレストランで開かれていました。私も坪倉
医師と共にその場にお邪魔させて頂きました。その会は、南相馬市在住の高村氏を中心に、相馬市在住のTeam One 
Loveの酒井氏、南相馬災害ＦＭの楢崎氏、東北コミュニティの未来・志援プロジェクトの中山氏、南相馬市の保育園の副園長、傾聴ボランティアなど、この
地域の志ある方々が総勢30名ほど集まっていらっしゃいました。この地の方々から幾度となく、これまでのこの地域のしがらみなども聞いておりましたから、
居住地の枠を超えた連帯に大いに感銘を受けました。<br />
<br />
さらにこの地域の方々と、外から入ってくるボランティアとの関係にも感慨を覚えました。但野氏は「ここまでの展開は坪倉先生の姿に感銘を受けたからできて
います」、とおっしゃっていました。坪倉医師は、東京大学医科学研究所の上研究室の医師で、震災直後から相馬に入り、南相馬市立病院の非常勤医となり、地
域医療を守ってきました。南相馬市の子どもたちの尿検査をしたところ、セシウムが検出され内部被曝が明らかになり新聞などで報道されましたが、市当局の意
向と合わなかったために、批判される事態になっています。そんな坪倉医師に対し、但野さんは「批判を受けながら、私達の子どものため奮闘してくれていま
す。そんな時、俺って黙って見ていていいの、って気持ちになりました」とおっしゃっていました。<br />
この地域は、もともとあった医療や福祉や雇用や教育といったさまざまな問題が、震災でさらに色濃く出てきてしまった、と何人もの方々からうかがいました。
しかし、子どもを守るという共通の目標を持つようになった今、市民たちはこうした問題を共に協力して乗り越えてゆこうという雰囲気になっていることがうか
がわれます。　こうした人々の連帯は、もしかしたら、歴史的に長く続いてきたしがらみが解消され、ともに復興の道を歩むきっかけになるかもしれない。凍っ
たチャールズリバーを眼下に眺めながら、相馬と南相馬への希望を確かに感じました。<br />
<br />
謝辞：今回の相馬・南相馬訪問に当たっては、星槎グループの尾崎達也氏、東京大学医科学研究所の上昌広氏をはじめ、たくさんの方々に大変お世話になりました。ここに感謝の意を表します。<br />
<br />
略歴：細田満和子（ほそだ　みわこ）<br />
星槎大学客員教授。ハーバード公衆衛生大学院リサーチ・フェロー。博士（社会学）。1992年東京大学文学部社会学科卒業。同大学大学院修士・博士課程を
経て、02年から05年まで日本学術振興会特別研究員。コロンビア大学公衆衛生校アソシエイトを経て08年9月より現職。主著に『「チーム医療」の理念と
現実』（日本看護協会出版会）、『脳卒中を生きる意味―病いと障害の社会学』（青海社）。現在の関心は日米の患者会のアドボカシー活動。]]>
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    <title>医療ガバナンスNEWS ▽ 2011年度 並列生物情報処理イニシアティブ（IPAB）第2回セミナー「臨床医学とデータマイニング」のお知らせ ▽</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://medg.jp/mt/2012/02/news-2011-ipab2.html" />
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    <published>2012-02-01T07:00:00Z</published>
    <updated>2012-02-01T14:52:37Z</updated>

    <summary>ご案内をいただきましたので、情報提供です 2012年2月1日　MRIC by 医...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[ご案内をいただきましたので、情報提供です<br />
2012年2月1日　MRIC by 医療ガバナンス学会　発行　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[2011年度 並列生物情報処理イニシアティブ（IPAB）第2回セミナー「臨床医学とデータマイニング」のお知らせ<br />
<br />
東邦大学理学部情報科学科　准教授<br />
並列生物情報処理イニシアティブ　理事（医療情報学WG主査）<br />
日紫喜光良<br />
------------------------------------------<br />
「並列生物情報処理イニシアティブ」（IPAB）（理事長：秋山泰　東京工業大学大学院情報理工学研究科教授）の2011年度第2回セミナーのご案内をお
伝えします。IPABの使命は、生物データの情報処理を行うためのバイオインフォマティクス技術と、その高速化を実現する先端的計算技術に関する、知識の
啓蒙と共有にあります。産業界と学術界の力をまとめて、並列生物情報処理においてイニシアティブをとる組織として活動しています。<br />
IPABでは1999年の設立以来、毎年シンポジウムを主催し、並列生物情報処理に関する最新の情報を届けてきました。今後も引き続き、様々な分野との連携を図る上で必要な情報の発信を行っていきます。また、毎年3回程度のセミナーを開催し、知識の共有と議論の場を提供してきました。今年度はすでに「大規
模ストレージWG」の担当で2011年5月11日に第1回セミナー「巨大化する生物データ処理へ向けた最新の大規模分散処理技術・環境の紹介
（MapReduce編）」を実施しました。<br />
<br />
第2回セミナーのテーマは「臨床医学とデータマイニング」で、「医療情報学WG」が担当します。医療情報学WGでは医療とコンピューティングを結びつける場として疾患研究、予防医学（リスク管理医学）、医療経営、社会医学などの今を伝えます。どのような医学的問題がどのような方法で研究されているのか、そこにおいて現時点でコンピューティングがどのような役割を果たしているのかを紹介します。参加者による問題の異なったとらえ方や、コンピューティングの新たな適用方法についての議論を歓迎します。<br />
　<br />
今回は2人の気鋭の数理研究者から、考えるための題材をいただきます。<br />
1人目の演者からは、社会医学分野での、「すでに起こっている未来」である人口動態予測を用いた医療需要の予測（上昌広先生と共同研究なさった成果です）
を定量的に紹介していただきます。そして、それに対応するための医療供給体制やコンピューティングの役割について皆さんに考えていただければと思います。<br />
2人目の演者には、データマイニング、特に、パターン認識とクラスタリングについての、新しい方法についてご紹介いただきます。パターン認識とは、データ
（例えばある患者からの画像）があらかじめ定義されたどれかのクラス（例えば何らかの所見）に属する確率がもっとも高いかを決めることです。一方、クラスタリングはクラスがあらかじめ定義されていなくて、似たデータを同じクラスに属させるようにクラスの数も決めて、データをクラス分けすることです。<br />
<br />
その際、医学データでは利用できるデータの個数（例えば分類すべき患者の人数）に比べて個々のデータの項目数（例えばマイクロアレイのスポットの数とか、
患者の画像の全画素数）がはるかに多いことが特色で、適切な処理方法を見つけることは困難でした。そのようなデータを処理するために、別の空間の上にもとのデータを投射した派生データを作ることが有益なことがあります。たとえれば、ジャービス・ペンドルトンは影を壁に投影されることで「あしながおじさん」
という特徴を見いだされたわけです。しかしもとのデータをよく反映した―つまり、特徴が無視されず、かといって細かすぎる特徴が誇張されることもない―派
生データとはどのようなものなのか、また、あまり計算の手間をかけないでそれを見つける方法も、よくわかっていませんでした。それらの問題にどのように取
り組んだか、ご紹介いただきます。<br />
<br />
「第2回IPABセミナー　臨床医学情報とデータマイニング」<br />
【日　時】 2012年2月17日（金）　15:00～17:20<br />
【場　所】 アットビジネスセンター大手町 １階会議室<br />
　　　 　　東京都千代田区大手町2-3-6 三菱総合研究所ビル<br />
　　　 　　http://abc-kaigishitsu.com/ootemachi/<br />
【主　催】 IPAB<br />
【参加費】無料（懇親会は別途会費徴収いたします）<br />
【参加申込】　http://www.ipab.org/registration20120217<br />
【　URL　  】  http://www.ipab.org/eventschedule/seminar/2011/20120217<br />
******************************************************************<br />
●プログラム●<br />
15:00-15:15<br />
　イントロダクション<br />
　医療情報学ワーキンググループ主査  日紫喜 光良<br />
<br />
15:15-16:15<br />
「超高齢化社会と医療の未来ー老人の増加に医療は対応できるか？」<br />
　井元 清哉（東大医科研ヒトゲノム解析センター DNA情報解析分野）<br />
　（講演50分、質疑10分）<br />
　概要<br />
　http://www.ipab.org/eventschedule/seminar/2011/imoto<br />
<br />
16:30-17:20<br />
「確率的パターン認識とクラスタリングの新手法」<br />
　杉山 将（東京工業大学大学院情報理工学研究科 計算工学専攻）<br />
　（講演40分、質疑10分）<br />
　概要<br />
　http://www.ipab.org/eventschedule/seminar/2011/sugiyama<br />
<br />
17:45　懇親会（参加費：1,000円）]]>
    </content>
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    <title>Vol.388　鍼灸の現状と問題</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://medg.jp/mt/2012/02/vol388.html" />
    <id>tag:medg.jp,2012:/mt//1.1907</id>

    <published>2012-01-31T21:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-31T21:28:45Z</updated>

    <summary>北海道鍼灸マッサージ柔整協同組合　理事　健保推進委員長 NPO法人全国鍼灸マッサ...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[北海道鍼灸マッサージ柔整協同組合　理事　健保推進委員長<br />
NPO法人全国鍼灸マッサージ師協会　渉外広報局　健保推進担当理事<br />
渡邊　一哉<br />
2012年2月1日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[鍼灸やマッサージというのは現代医療の補完的な役割を果たしているといえる。慢性疾患の高齢者や急性期の筋肉炎症疾患などや、その後遺症、神経痛　五十肩
　腰痛症など、薬物の服用などの副作用などや過度の薬物よりは鍼灸などの東洋療法に頼ったほうが、副作用に後々悩まされるなどの事がなくてとても簡便な医
療と言える。<br />
しかし、昨今では問題がかなり多く見られるのも事実だ。何度かにわたって少しづつ医療関係者にこの問題を考えていただきたく、投稿するに至った。<br />
<br />
まず、現在の鍼灸の置かれてる状況について知っていただきたい。鍼灸マッサージ治療を保険医療機関内で行いたいと考える医療機関が多いがこれは現在では認められてはいない。公にはである。実際に少なからず存在はするが。厚労省に対し聞くと曖昧な感じの答えしかかえってこない。<br />
<br />
平成4年に岡山県で実際に質問した事例がある。日本鍼灸師会　熊崎氏の手記である。（日本鍼灸師会健保対策委員会　熊崎勝馬　医道の日本　Ｈ11年10月号ｐ198～）<br />
－－－<br />
○保険医療機関での鍼灸治療<br />
現在,保険医療機関で鍼灸治療が実際に取り扱われていることは,幾多の鍼灸に関する報告書,並びに患者からの報告で知ることができる。このことに対し,具体的に真正面から行政に質問をしたのは平成四年十二月,岡山県内の保険医療機関の医師からであった。<br />
<br />
その質問の内容と回答の要旨は,｢保険医が有料で鍼治療できるか。保険医が鍼治療を無料で行うのであれば違法ではないか。保険医療機関で鍼灸の保険適用 
はできないか。同一敷地内に鍼灸の施術所を設置することができるか？｣などの問いに対して,｢保険医療機関で鍼治療を行うことは有料でも,無料であっても
 
認められない。保険診療と鍼治療が併存すれば違法,関連なければ違法ではない。保険医療機関では鍼灸の保険適用できない。同一敷地内でも明確に分離･独立
 してあれば止むを得ない。｣<br />
などであり,これらの回答は岡山県保険課の担当者が厚生省の確認を得た上でなされたものである。<br />
<br />
この内容については,平成九年十二月,日鍼会は再度厚生省に文書で確認し,同年十二月五日付けで厚生省保険局医療課よりこの内容の取扱いは現在も変わりが
ないものである,との文書を受領している。また平成十一年三月二五日に開催した業界四団体と厚生省担当者との勉強会の席上で再度日鍼会側から口頭で確認
し,この内容は今でも変わりがないことを担当者から回答を得ている。<br />
<br />
しかるに,平成十一年七月二四日発行の『日本医事新報』三九二六号の｢経営管理Q&amp;A｣で｢診療所における鍼灸マッサージの開業｣についての質問に対し,税理士,医業経営コンサルタントの常山正雄氏が次の如く回答している。<br />
<br />
＜日本医事新報の記事抜粋＞<br />
[問] 医院とともに，鍼灸マッサージを行いたいと考えているが，手続きなどはどのようにすればよいか。<br />
[答] 診療所において,鍼灸マッサージを生かした手続きとしては、1)診療所に医療従事者として鍼灸マッサージ師を勤務させる。2)診療所とは別に独立した鍼灸マッサージ師の施術所を設置する。という方法がある。　　　　<br />
1）医療従事者として鍼灸師を勤務させる場合<br />
一般的に,診療所に鍼灸マッサージ師を勤務させる場合にはリハビリテーション科を新設する。この場合には,リハビリテーション科の新設となるため,診療所開設届出事項一部変更後10日以内に保健所に届け出なければならない。（中略）そ 
して,診療所に医療従事者が就職や退職をした場合には,医療従事者変更届けを変更後10日以内に保健所に届け出なければならない。（中略）診療所がリハビ
リテーション科を標榜して診療するため，保険医療機関であれば,当然のことながら保険適用となる。保険の請求は従前の通り診療 
所からの請求となる。また,自費診療,保険診療については,診療所にリハビリテーション科の医療従事者としての勤務となるため,どちらについても可能である。<br />
2）独立した施術所の設置（略）<br />
(税理士・医業経営コンサルタント　常山正雄)<br />
<br />
この『日本医事新報』三九二六号に掲載された回答は,今まで厚生省の担当者が再三述べてきた内容と異なること,及び,この『日本医事新報』は全国の保険医
療機関や保健所,並びに行政関係者等にも広く愛読されていることから,このままではこの記事の回答が独り歩きし,保険医療機関にリハビリテーション科を設置すれば理学療法の一環として鍼灸が出来,その場合は当然の事ながら鍼灸の保険請求,あるいは自費診療としてでも取扱いができるものと理解され,大病院ならずとも地域での医院等でも鍼灸が公然とリハビリテーション科の名のもとで一般的に取り扱われる可能性が大いにあり,健保対策委員会ではその影響が甚大に
なることを痛感し,とりあえず事実関係の確認をするため,厚生省に『日本医事新報』の回答の通り,保険医療機関での鍼灸の取扱いか可能であるのか問い合わせをし,以下の如くの回答を得た。<br />
<br />
○厚生省保険局医療課の回答<br />
(1)七月二四日付『日本医事新報』の掲載記事の中で,問い合わせのあった部分については記事の内容に誤りがあります。<br />
(2)　厚生省から『日本医事新報社』に対して,記事の誤りを伝えるとともに,訂正の記事を近々同誌に掲載するよう話しております。<br />
<br />
○厚生省の考え方<br />
･上記の記事抜粋における下線(傍線)部分の回答は,誤りである。<br />
･リハビリのうち理学療法に係る診療報酬上の取扱いについては,理学療法士自らが理学療法を行った場合を評価するのが原則である。<br />
<br />
ただし,理学療法士と同様の基礎的知識等を有するあん摩マッサージ指圧師等が,運動療法機能訓練技師講習会を受講した上で,理学療法士の監視下で機能訓練を行った場合については,理学療法に係る所定の診療報酬点数を算定できることとしている。<br />
これに対して,鍼灸師については,その有する基礎的知識等が理学療法士と基本的には異なることから,リハビリテーション科の標榜の有無に関わらず, 
鍼灸の施術に対して理学療法に係る所定点数を算定することはできないものであり，保険適用はない。　　　　　　　　　　　　　　　<br />
－－－<br />
以上が日本鍼灸師会の熊崎氏の手記である。<br />
<br />
この日本鍼灸師会がこうした医療機関の鍼灸治療にたいしての警戒心を持つのは現状の開業鍼灸師に対する経営の問題がある。保険医療機関で鍼灸治療が普通に
行われるようになれば開業鍼灸師のところに患者はこなくなり経営は逼迫し開業鍼灸師は絶滅するという考えが根幹にあると思われる。<br />
<br />
今の開業鍼灸師のところで健康保険の療養費払いを使い健保適応をさせるための条件がいろいろある。ひとつには、同意書である。これは適応6疾患に関して、
医師の同意書があれば鍼灸治療を患者さんは保険診療ができるというものである。さほど、難しいことではないと思うかもしれない。しかし、患者さんは医師に
同症状を治療してもらってる場合など、鍼灸をと願いでにくい。医師は同意書を書くことによりその疾病治療は該当の患者さんに関してはできなくなるからであ
る。<br />
<br />
保険者によっては臨床各科どこでも同意書は問題ないとする向きもあるが、組合健保などでは最近は主治医でなければいけないと言ったり、整形外科医の同意書
でなければなどと法的な根拠もなく言われる事も多く、また同意書の発行医師に関しての法はなく、根拠も厚労省は明確にしていないことから、保険者判断が優
先されることになる。<br />
その為に、保険者によっては支払い拒否が発生する。また、地域によっては同意書発行に応じない医師なども見られる。同意とは医師が鍼灸を熟知して初めて同意できるものであり、熟知してない医師は同意などできないと判断する医師もいる。<br />
<br />
これに関しては厚労省は見解を出している。<br />
○厚労省見解<br />
あん摩・マッサージ、はり、きゅうに係る医師の同意<br />
（1）あん摩・マッサージ、はり、きゅうに係る療養費の支給対象となる疾患の多くは、いわゆる外傷性の 
疾患ではなく、発生原因が不明確で、治療に長期間を要するものが多いこと、治療と疲労回復等との境界が明確でないこと等の理由により、現在、医師の同意書
 
又は診断書の添付を療養費の支給要件の一つとしている。この取扱いについては、柔道整復と比較して不公平であるとして、医師の同意書等を必要とする現行の
要件の撤廃又は簡素化を図るべきとの意見があった。<br />
（2）はり、きゅうに鎮痛効果及びあん摩・マッサージに筋麻痺の緩和効果等の対症効果があるとしても、施術の手段・方式や成績判定基準等 
が明確でないため、客観的な治療効果の判定が困難であること、治療と疲労回復等との境界が明確でないこと等から現行どおり医師の同意等を療養費の支給要件
 
とすることが適当であると考えられる。今後の研究の進展等により、これらの施術の客観的な治療効果の判定等が可能となった段階で、改めて検討することが適
当である。<br />
（3）また、患者が医師から同意等を受けにくい状況にあるとの指摘もあり、必要な場合に同意書や診断書の発行が円滑に行われるよう、具体的な措置を講ずる必要がある。<br />
（4）また、そのメカニズムは明確ではないが、はり、きゅうには、現行の対象疾患以外にも鎮痛等の効果が認められる疾患については、医師の同意の下に、新たに療養費の支給対象とすることを検討することも必要である。<br />
<br />
これは国保新聞平成7年10月1日に発行された医療保険審議会の見解である。療養費の支給基準（社会保険庁）を見るとわかるが、患者の求めに応じて同意書
を書くことは同意書を発行する事以外に責任をもつという意味ではない旨の文言もある。（3）に関してだが。現在はそれから17年あまりの年月が立ち、健康
というものの概念、国民の置かれてる状況、国の健保の財源などさまざまな状況が変わった。この同意書という書類がなくなるか、簡便になるか、発行がスムー
ズになり国民の開業鍼灸師にたいしてのアクセスがフリーになる事が、日本鍼灸師会が保険医療機関内で鍼灸を行えるように賛成をするだろうと思われる点であ
る。<br />
<br />
医療費が平成22年で34兆円という規模の日本で、鍼灸の利用価値はとなると、すぐに即答できない問題である。個人的見解では、慢性疾患の少なくても保険
適応の6疾患の薬物利用は減り、より安価な鍼灸治療を使うことで鍼灸の療養費は伸びるかもしれないが、医療費の総体枠は下がるだろうと思う。これも厚労省
が試験的にどこかの市町村で同意書の部分解除などを行い、数字を追ってみないと何とも言えない。業団体の力では限界がある。さりとて厚労省にその認識が薄
く、どこの窓口も対応をしてくれないもどかしさがある。<br />
<br />
次に支払い方法である。現状の開業鍼灸師は原則、償還払いであり、保険医療機関での鍼灸となると保険給付となることからこの問題は大きい。現在は保険者は
患者である国民の不利益や手間の解消のために鍼灸師に委任を患者がしてその支払いを鍼灸師が受ける、もしくは第3者が受け取る第3者委任という方式が広く
使われていたが、昨今その委任方式も組合保険をはじめとする保険者は償還払いに変更してきている。理由はコンプライアンス遵守のためとあるが、そもそも法
令遵守というこのコンプライアンスという語句に値する法令そのものがないが、あるとすると、次の医療審議会の出した文言である。<br />
<br />
1）あん摩・マッサージ、はり、きゅうに係る療養費については、これまで受領委任払いは認められていないが、柔道整復との均衡から、受領委任払いを認めるべきであるとの意見があった。<br />
2）しかし、柔道整復に受領委任払いが認められているのは、あくまでも特例的であること、また、あん摩マッサージ、はり、 
きゅうに係る療養費の対象疾患の多くは、外傷性の疾患ではなく、発生原因が不明確で、治療と疲労回復等の境界が明確でないこと等から、施術を行う前に保険
 者が支給要件の確認をできない受領委任払いを認めることは適当でない。<br />
<br />
そもそも発生原因などが不明瞭であるなしということが、医療に関係するものだろうか。では、発生原因がすべて明確であるものが医療費の対象になっているの
か？精神疾患など鬱病や、多くの疾病の発生原因などは明確になっているわけではない。なのに、鍼灸に関してのみ発生原因の不明瞭さをあげるのはなにか鍼灸
を医療の枠内にいれたくないという恣意的なものを感じる。医療に発生原因などが関係するものではなく、その支払い方法をここまで限局的にするのは鍼灸師の
個人の資質、医療者としての資質に大きな疑問があるからに違いない。<br />
<br />
専門学校教育3年で卒業し、国家資格をとる資格は他にも柔道整復師はもちろんだが、理学療法士、作業療法士、診療放射線技師、臨床検査技師、看護師、など
他にもある。問題は卒後の研修や、卒後の業界団体の受け入れ態勢、学会の組織率など、鍼灸師の組織率など数％にしかならない。卒業後は野放しで、研修を一
定年数をせずに健保をそのまま使える体制にある。これとて、厚労省は動こうとしない。個人的には保険を使えるようにするためには、一定の期間、医師の認定
制度、専門医制度のように保険専門鍼灸師を創設し、ある程度の期間の研修を行い、その後は定期的に研修をさせる必要があると思う。以前、この制度を総理府
に打診して特区制度でやらないかと言ってみたが、厚労省側が医療に関わるものは特区制度にはなじまないとし、実現はしなかった。<br />
<br />
しかし、毎年6000名が卒業する鍼灸師大過剰時代に無尽蔵に保険を請求していくことはやはり財源の問題もしかりだし、研修制度がなく鍼灸をするとなる
と、悪貨が良貨を駆逐するのは当然の事である。患者さんである国民に多大な迷惑がかかる可能性だってあるのだ。業界団体としては様々な方策をとり研修会を
作ったり、学会や業団体の入会を促進するような方法をとってきた。しかしもう毎年6000名ともなれば限界である。国がある程度強制力をもって、なにかの
制度を作り上げないと、どうにもならない。その事をいち早く感じ、動いてきたが政治にはもはや期待できず、政権与党もなにを言っても聞くだけで約束はして
はくれない。<br />
<br />
医療関係者には早急にこの問題を知っていただき、業界団体としてはなんとか良い結論がだせないかと思案しているところであるが、なかなか良い知恵が浮かばず、もしなにか知恵があればお貸しいただきたい。]]>
    </content>
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<entry>
    <title>Vol.387　＜連続インタビュー＞同時接種　是か非か（2）適切な時期に予防するための手段</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://medg.jp/mt/2012/01/vol3872.html" />
    <id>tag:medg.jp,2012:/mt//1.1906</id>

    <published>2012-01-30T21:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-30T21:36:04Z</updated>

    <summary>～『ロハス・メディカル』新聞社版2012年2月号より 千葉大学医学部附属病院　感...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[～『ロハス・メディカル』新聞社版2012年2月号より<br />
<br />
千葉大学医学部附属病院　感染症管理治療部　<br />
講師 石和田 稔彦<br />
2012年1月31日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[予防接種の意義は、適切な時期に適切なワクチンを打って病気を予防することにあります。ワクチンの種類が多くなってきて、しかも海外に比べて多価混合ワク
チンが少ない日本では、同時接種でないと、適切な時期に打てず、病気にかかってしまう恐れがあります。つまり、多価混合ワクチンが接種できるようになるま
での過渡期である現在、適切な時期にワクチンを打つための手段として同時接種が必要ということです。<br />
<br />
千葉大の学園祭で、ワクチンに関する展示企画を行った学生さんたちが来場者にアンケートを取ったところ、同時接種してもよいという親御さんが3分の1ぐら
い、やりたくない人とよくわからないという人が3分の1ぐらいずつだったそうです。一般の方々の受け止め方は、現状ではこのようなものだと認識させられま
した。やりたくない方々に無理強いはしないにしても、わからないという方々に対して情報を提供すること、やりたいという方々に医師が応えることは必要だと
考えます。<br />
<br />
ところが日本では、医師の中にも同時接種を避ける方が少なくありません。たしかに日本では単独接種が標準でしたし、接種の場所も上腕部がほとんどだったの
で、下肢まで使って3本も4本も打つのに抵抗感があるのは、理解できます。でも海外では当たり前にやって実際に多くの病気を防いできたのですから、せめて
親御さんが希望される場合には、左右両肩に1本ずつ2種類同時からでも、対応していただきたいと思います。<br />
<br />
もちろん、海外で大丈夫だから日本でも大丈夫というのでは信用しない人もいます。そういう方々に納得していただくためにも、厚労省の研究班で行われている
と聞いております同時接種の安全性調査について、結果を定期的に提示していただいて、単独接種と同時接種の差がないかどうかについて皆で検証していくこと
が大切であると思います。<br />
<br />
単独接種ですべて行おうとすると適切な時期に打てなくなるのは、日本独自のルールとして、不活化ワクチンを接種してから次のワクチン接種まで6日間空ける
こと、ポリオやＢＣＧを集団接種した日に別の医療機関で他のワクチンを打つ同日接種をしてはいけないことも影響しています。でも、同じ種類のワクチンにお
いては一定の間隔を空けるのには根拠がありますが、異なる種類のワクチンに関しては、副反応が出た場合にワクチンとの関係を明確にするということが主な理
由です。接種間隔についても見直しの議論をしてもよい時期なのかもしれません。<br />
<br />
なお、ワクチンが防いでいる病気の潜在的な疾病リスクを明確にすること、すべてのワクチンについて、同じ基準で接種後の有害事象の評価を行うことも、今後一層大切になると考えます。<br />
<br />
(いしわだ・なるひこ)1990年、千葉大学医学部卒業。2006年、千葉大学医学部附属病院小児科講師。2011年11月から現職。<br />
]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>Vol.386　「新型インフルエンザ対策のための法制のたたき台」に対する意見 ―医師への従事命令や違反への罰則は不要―</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://medg.jp/mt/2012/01/vol386.html" />
    <id>tag:medg.jp,2012:/mt//1.1905</id>

    <published>2012-01-30T07:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-30T14:49:16Z</updated>

    <summary>井上法律事務所　弁護士 井上 清成 2012年1月30日　ＭＲＩＣ by 医療ガ...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[井上法律事務所　弁護士<br />
井上 清成<br />
2012年1月30日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[1.医師の基本的人権に対する侵害<br />
1月17日、内閣官房新型インフルエンザ等対策室より「新型インフルエンザ対策のための法制のたたき台」が公表された。ところが、その緊急事態の措置の中に、とんでもない事柄が紛れている。<br />
「医療関係者への医療従事の要請・指示及びこれらに伴う措置」と「命令に従わなかった者への罰則」は何を意図するものであるのか。もしも「たたき台」のそ
れらの規定が「医師への強制的な従事命令」と「命令違反に対する罰則」を定めるものだとしたら、日本国憲法で保障された医師の基本的人権を侵害する定めだと言わざるをえない。<br />
<br />
2.医業遂行の自由<br />
憲法はその第22条第1項で、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」と定めた。「職業選択の自由」は、文字どおり職業を選択する自由はもちろんのこととして、その選択した職業を遂行する自由も含む。職業遂行の自由は事業活動の自由と言い換えてもよい。医師に即して
言えば、医業遂行の自由ということになろう。<br />
医業遂行の自由は、経済的自由権の側面もあるが、この中核は精神的自由権である。精神的自由権の代表例は、思想・良心の自由、信教の自由、表現の自由とされているが、医業遂行の自由もそれらと同等の性質を有すると言えよう。<br />
したがって、十分に医学的根拠があって、十分に政策的合理性があるのでなければ、みだりに制約してはならない。<br />
<br />
3.医師への従事命令<br />
新型インフルエンザ緊急事態における行政による医師への従事命令は、医学的根拠に乏しく、政策的合理性に欠ける。<br />
行政の素養・能力に関する一例であるが、東日本大震災に関連して発生した福島第一原子力発電所の事故に際し、国が原発５キロ圏に置いたオフサイトセンター
（現地対策本部）は住民避難・救助に関して無力であった。地方公共団体である福島県の災害対策本部救援班は、医学的素養に乏しく、そして、法令の杓子定規
な遵守に囚われ、結果として寝たきり患者に過酷な長時間・長距離のバス移動を強いてしまう。また、うまく仕切りもできないにもかかわらず、福島県警察と自
衛隊の連携を仕切ろうとし、結果として情報を寸断させてしまって、多くの寝たきり患者を抱えて５キロ圏内にいた双葉病院や医師・警察官を取り残してしまった。そのような結果を招いた原因は、政策的合理性に欠けた強大な権限を行政が自ら無理に行使しようとしたからである。にもかかわらず、それら自らの不始末の責任を双葉病院長や警察官のせいだとばかりに世論誘導してしまい、結局は双葉病院長がマスコミからのバッシングに遭ってしまった。そのような国や福島県
に比べると、DMATやボランティアを自ら組織して災害対策にあたった医師集団は、素養・能力に格段の違いを示したと言えよう。<br />
震災対策という、そのものは医療と異なる分野においてさえ、こうだった。ましてや、新型インフルエンザ対策となれば、医師にとってはそのもの専門中の専門である。医師と行政では、素養も能力も一層に格段の差が出よう。過去の豚由来新型インフルエンザ騒動の際も、神戸市医師会をはじめとする郡市区医師会や現
場の医師達の活躍ばかりが光った。<br />
やはり、行政による医師への従事命令は、医学的根拠に乏しく政策的合理性に欠けるので、不当・違法と言うにとどまらず、憲法にも違反するように思う。<br />
<br />
4.　応招義務の刑罰化<br />
もしも医師への従事命令と共に、命令に従わなかった医師への罰則を設けたとするならば、さらに大問題へと発展する。<br />
医師法第19条第1項は「診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」と規定した。応招義務を定めた規定だが、そこには罰則がない。患者の緊急重大性、医師・医療機関の実情、地域医療環境の現状などの総合考慮に基づく専門技術的な評価が必要とされるので、一律の罰則になじまないからである。<br />
医師への従事命令にも同様の性質があるので、やはり罰則になじまない。しかし、それにとどまらず、さらに一層重大なポイントもある。それは、医師法の応招
義務では診察治療の求めをするのが「患者」自身であるのに対し、医師への従事命令ではいわば診察治療の求めをするのが「患者」ならぬ「行政」であるという、重大な差異にほかならない。<br />
「患者」は純粋に疾病・負傷に対する診察治療を求めて来るので、医師は応じるのがその本分と言えよう。しかし、「行政」は純粋に「患者」のことしか考慮していないとは言い切れない。「行政」である以上、諸々の政策的考慮を込めているのが当り前であるし、むしろそれこそが正当な行政であろう。したがって、患
者のことだけを純粋に考えるべき医師としては、逆に、行政に盲目的に従ってはならないのである。<br />
やはり、医師への従事命令に罰則を設けることは、応招義務の刑罰化をさらに上回る問題をはらんでいると思う。当然、罰則を設けてはならない。<br />
<br />
5.規制的権力行政ではない<br />
新型インフルエンザ対策で大切なことは、新型インフルエンザ患者やその他の全国民に対する医療提供の体制を充実させることに尽きる。国・地方公共団体の役割は、医療現場に必要十分な医療資器材や医薬品を医師・医療機関の要望に応じて迅速・柔軟に供給することであり、新型インフルエンザの発生状況をはじめと
する十分な情報を無制限・全面的に提供し続けることであり、緊急の正当業務行為たる医師の診療に対する規制を解いて自由に診療活動をできるようにすること
であろう。決して、規制的な権力行政であってはならない。国・地方公共団体は医師に対しては、助成的・調整的な行政活動に徹すべきであると思う。]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>Vol.385　もっと広がれ！障害者スポーツ</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://medg.jp/mt/2012/01/vol385.html" />
    <id>tag:medg.jp,2012:/mt//1.1904</id>

    <published>2012-01-29T21:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-29T21:44:16Z</updated>

    <summary>特定非営利活動法人スタンド　代表理事　伊藤数子（いとう　かずこ） 障害者スポーツ...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[特定非営利活動法人スタンド　代表理事　伊藤数子（いとう　かずこ）<br />
障害者スポーツサイト「挑戦者たち」http://www.challengers.tv/<br />
2012年1月30日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[●モバチュウを始める<br />
今年はロンドンオリンピック・パラリンピックが開催されます。パラリンピックには21の競技があります。電動車椅子サッカーは2020年のパラリンピック
種目入りを目指している競技です。電動車椅子に乗った４人が１チームとなり、バスケットボールのコートで試合をします。手元のレバー一つで駆動し戦うこの
競技は、重度障害がある人もプレーでき、老若男女問わず、チームを構成できます。とてもユニバーサルなスポーツです。私は電動車椅子サッカーチームの「金
沢ベストブラザーズ」をずっと応援していました。2003年の秋には、ブロック大会を勝ち抜き、ついに全国大会へと駒を進めることになりました。この瞬間
の喜びは今も忘れません。そして何日か後に聞いたことも忘れられません。選手の一人が大阪で行われる大会に行かない、というのです。私は驚いて、理由を問
いました。そして彼の答えに私は返す言葉を失いました。お医者さまから外泊禁止の厳命を受けたとのこと。障害が原因です。障害者のスポーツにはこういう場
面があることを想像だにしませんでした。強くなりたい、勝ちたい、と進んで来た道です。本人がどんなにか悔しいか。しかし如何ともし難いのです。<br />
<br />
なんとか、良い手立てはないものか。そんな時チームメイトから、妙手が浮かびます。ケータイのテレビ電話で試合を映せば、自宅でも観戦できる。それが発展
したのがモバチュウです。モバチュウはモバイル・ライブ・中継を略した愛称です。専用に開設したホームページに会場からインタネットを通じて生中継すると
いうものです。<br />
<br />
大会会場のロビーで大型のテレビにモバチュウを映し、デモを行ってみると、びっくるするくらい多くの選手やチーム関係者に人気を博しました。多くの方にそ
の場から連絡していただき、残してきた地元の関係者に生中継を見ていただくことができました。遠征できないのは金沢ベストブラザーズの選手一人ではなかっ
たのです。全国のチームに、同じような人がいたのです。たった一人の選手のためにしたことは、多くの人に喜んでもらえるものだったのです。<br />
試合後、初のモバチュウを金沢の自宅で観戦した選手の写真を見せてもらいました。写真の彼はユニフォームを着ていました。一緒に戦っていたんだ、と思うと胸が熱くなりました。<br />
<br />
翌2004年、モバチュウは日本電動車椅子サッカー協会の公式中継に「格上げ」されました。そして、いよいよ、こんな言葉を聞くことができました。更に翌
年の2005年夏ある一本の問い合わせをいただいたのです。全国大会に出場権を得られなかったチームの選手からです。「ブロックで負けたんで大会に行けな
くなりました。今年も中継あるんですか？噂ではあるってきいたんですけれど・・・」。細々と始めたモバチュウを、見ていてくれる、期待してくれている人が
いた。望外の喜びであることは言うまでもありません。毎年やる。このとき決めました。そして障害者スポーツを広める事業を行うためにＮＰＯ法人を設立しま
した。現在では年間約10大会のモバチュウを実施しています。<br />
<br />
●大きくなったら何になる？　子どもたちの「将来の夢」<br />
毎年春になると、小学1年生を対象にした調査を目にします。「大きくなったら何になりたい？」という将来の夢を聞くアンケートです。男女とも必ず上位にラ
ンキングされているのが「スポーツ選手」です。野球選手になりたい、スケート選手になりたい、と子どもたちは夢をいっぱい膨らませます。とびっきりの笑顔
で、大きな声で「大きくなったら・・・！」と答える姿が目に浮かびます。これは障害のない子どもたちの場合です。では、同じアンケートを障害のある子ども
たちに実施したら、上位にスポーツ選手は挙がってくるでしょうか？答えは「決してない」です。障害者のスポーツの情報が少ないからです。障害者スポーツに
どんなものがあるのか、どんなにかっこいいのか、の情報があまりにも少ないからです。メディアで報じられることは極めて少ないこと、障害者がスポーツをす
る機会が地域に極めて少ないことがその要因です。子どもも親御さんも周辺の人たちも、その子がその残された機能で、どんなスポーツができるのか、知りませ
ん。同じ障害がある人がアスリートとして世界の舞台で活躍していることを知りません。だから、障害のある子どもの「将来なりたいもの」にスポーツ選手はな
いのです。<br />
<br />
私が子どものころ、隣に住む高校生が剣道を習っていました。とてもかっこよく、憧れていました。テレビや新聞で野球、サッカー・・・たくさんのスポーツを
目にすることができました。河川敷でテニスもやっていました。子どもの私はいろんなスポーツがあって、選ぶことができました。やってみることができまし
た。スポーツ選手を夢見ることもできました。それはスポーツの情報に囲まれているからです。<br />
<br />
障害のある子たちにも、50競技にもなる障害者スポーツを知ってもらいたいと心から思います。こんなこともできる、こんなにエキサイティングだ、やってみ
たい、将来選手になりたい、と心躍らせてもらいたい、と思います。もちろん全員がスポーツ選手になってくれといっているのではありません。障がいのない子
どもたちと同じように、いくつもの選択肢から自分の将来の夢を選べる環境の中にいてほしいのです。そのためにはもっともっと多くのスポーツを伝えていくつ
もりです。私がモバチュウをはじめ、障害者スポーツの情報を伝え続けている源泉はここにあります。<br />
<br />
そして今年、次のステップへと進みます。スポーツの魅力を知った人や子どもが今度はいつでもスポーツをすることができる環境を用意します。まずは、スタン
ドスポーツクラグ（仮称）の設立です。小さなクラブから初めて行きます。いろんな地域に広がって、すべての人が好きなスポーツをいつでも続けていけるクラ
ブへと育てていきます。<br />
昨年スポーツ基本法が施行されました。スポーツ振興法が50年ぶりに大幅に改正されたものです。ここには障害者のスポーツを推進することが明文化されまし
た。そして今年はパラリンピックイヤーです。障害者スポーツを取り巻く環境は半世紀ぶりに激変します。いえ、させなければなりません。大きな変革のときを
迎え、ちょっぴり緊張を感じます。そしてその中にいられることにそれより大きな喜びを感じています。]]>
    </content>
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<entry>
    <title>Vol.384　論説「よい発表、良い議論を行うために」―健全な発表と議論のためのルールと心得―（その2／2）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://medg.jp/mt/2012/01/vol38422.html" />
    <id>tag:medg.jp,2012:/mt//1.1903</id>

    <published>2012-01-27T07:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-29T16:27:35Z</updated>

    <summary>仙台赤十字病院医学雑誌20巻1号　p7-15、2012年7月発行、2011年1月...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[仙台赤十字病院医学雑誌20巻1号　p7-15、2012年7月発行、2011年1月より転載です。<br />
<br />
仙台赤十字病院呼吸器内科<br />
東北大学臨床教授<br />
岡山　博<br />
2012年1月27日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[（その1／2より）<br />
<br />
●議論のしかた<br />
1）議論とは何か<br />
口演、講演、シンポジウムの価値は発表の価値だけでなく、発表された内容という共通の認識の上に、共通の結論を目指して良い議論をすることに価値がある。
厳密には、学会発表は発表するだけでなく、発表に対する質問や意見を受けて十分な回答をし、参加者に承認されて初めて発表した実績として成り立つ。研究方
法や論理、結論が不適切で、参加者から承認を得られなければ、正当に発表したことにはならない。参加者に承認されないレベルの低い講演はすべきではない。<br />
健全な議論とは、新たなあるいは異なる提示された意見を出発点として、より正しい共有の結論を見出そうとする言葉の往復である。健全な議論をするために
は、（1）一定の共通認識、（2）議論すべき異なる見解、（3）相手に対する信頼と敬意、（4）共通の結論を見つけようという意思が必要である。これが
あって初めてよい議論は成り立つ。<br />
講演や発表を聞き、質問をするということは、演者が提供した知識や考えを演者と参加者が共有する過程である。共有された認識を材料に、演者と参加者が対等
な関係で議論することが正しい議論の仕方である。議論をするためには、演者の結論と主張が明確に提示されることと、演者に対して、異なる見解が提示される
ことが必要である。演者は質問や意見に対して的確、論理的で誠実な回答をし、再度発言者の意見や了解を求める。認識を整理し、深め、共通する結論を得るた
めに、適切な言葉を往復させるということが議論の基本である。<br />
<br />
2）発言、質問、回答、議論の仕方<br />
意見の違いが無くては、良い議論は成立しない。良い議論をするためには、異なる正当な見解を作り、発言をする能力を高めて良い発言をすることと、良い発言
を、主催者、座長、演者、参加者が歓迎し、議論しようという基本姿勢が必要である。発語、発音の留意点は、口演の留意点で述べた。<br />
<br />
口演を十分理解しなかったときにする質問・回答は、議論に必要な共通認識を作るための、基本知識や解説の提供を求める単なる解説依頼と解説である。これだ
けでは議論ではない。必要なことは解説を聞くことではなく、良い議論をすることである。まっすぐに、真剣に、ていねいに、誠実に発言、議論する。的確に的
を絞り、簡潔な言葉で意見、異論、質問を簡潔・明確に述べる。感想や、発表内容と直接結びつかないことなどを述べたり、演説すべきではない。<br />
相手に敬意を持ち、対等の立場で発言する。過剰な敬語や上下関係を規定する言葉・敬語は避ける。上下関係を作り、下からの卑屈な姿勢や、上から見下ろす無
礼な姿勢で発言すべきではない。感情表現や打算をいれないニュートラルな言葉、論理的で虚飾のない、明確、ていねい、穏やかな言葉を使うべきである。<br />
質問や異論には、相手に敬意をもち、対等に、的をはずさない的確な回答をし、その回答に対して相手の意見･了解・意見を再度求めること、この言葉の往復が
発言、回答、議論の基本的ルールである。質問にきちんと的を得た回答をせず、質問者に「あなたはどう考えますか」と切り返すなどはすべきではない。<br />
質問に対して、自分が一方的に回答しただけで、質問者が納得していないまま終了すべきではない。すり替え、ごまかし、威嚇、侮辱あるいは無視して相手に発
言をさせず終了させてはいけない。基本的には、回答が十分であったことを質問者に確認する気概を常に持っているべきである。自分の回答が了解されず、引き
続き質問や異論がある場合は、快く受け入れ、納得しうる回答、議論をすべきである。一回回答しただけで、それに対する反論や異議申し立てを歓迎しなければ
正当に回答したことにはならない。<br />
演者への異論、反論は、敵対的発言でなければ、演者の発言を深めるものとして歓迎、感謝すべきである。欧米の文化、議論の場ではこのようなとき 
演者や座長は"Thank you" 
と感謝した上で回答、運営することが多い。敬意を持つということは相手におもねることではない。相手を軽んぜず、穏やかな言葉で自分の判断と理由を明確に
回答し、その回答が的確であったかを質問者に確認承認を得ることを含め、発言者の再発言を求めることである。<br />
<br />
日本の多くの学会や研究会では健全な議論が成り立っていない。多くは質問に対して演者が一回だけ一方的に解説やコメントするだけで、その回答が不適切で質
問者が同意しなくても、異議申し立てや、健全な議論に発展させることはほとんどない。これは質疑応答にさえなっていない。知識を補うためだけの、質問に対
する演者の一方的解説であり、異論を無視、排除するためのセレモニーであることが多い。演者と異なる意見を歓迎しない講演や議論は演者に対する無条件の同
調や思考停止を強要するものである。<br />
発表、発言や回答に当たって嘘を言ってはいけない。事実に反して「予備実験をした」「再現性を確認した」、「ノイズは無視しうるほど小さかった」と言った
り、意思がないのに「今後検討する」あるいは、他人の経験や文献で知った知識を自分が経験したかのように、あるいは少ない経験しかないのに多くの経験をし
たスペシャリストであるかのような言葉がその例である。<br />
<br />
正当な論点に対する質問、異見とは別に、質問の形で演者に対して以下の指摘がされることがある。結果の信憑性、結果に対する評価に対する異議、非論理性、
発表に当たって演者が当然もっていなければいけない知識の不足、理解・考え方の誤りの指摘などである。これらは質問の形をとっていても、内容は知識や論
理、結論の不足を質問者が演者に教えているか強い異議申し立てである。反論としての質問や異議申し立てが正当である場合、演者は質問者に謝辞を述べ、誤り
をその場で撤回し、正すべきである。内容や発言態度によっては聴衆に謝罪すべきものもある。<br />
再検討して答えを出す能力が不十分なために、その場で演者として適切な回答ができない場合は感謝して後日検討し、回答することもよい。言いのがれのため
に、その意思もなく「検討中」、「今後検討」と答えてごまかすのはよくない。質問者より知識や考え方が劣っているにもかかわらず、質問者に教えるという態
度をとり、知識・認識不足を立場の違いであるかのように意図的に混同してごまかしてはいけない。教育的な講義・講演でも一般口演でも同じである。<br />
意見や質問に回答したときは、自分の回答が質問のポイントをはずしていなかったか、相手が納得しない不十分、おざなりな回答ではなかったかを自己点検する。十分に回答する時間がない場合、演者は、発表終了後に自ら進んで、質問者が十分納得する回答をすべきである。<br />
<br />
知識を得るための質問、解説は講演後でもかまわないが、議論は講演時間の中で、参加者を交えて行うべきである。時間がないといって座長が発言を制止し、異
議申し立てや議論をさせないことが多い。的を得た回答をせず、「時間がないから」、「あなたの言うことは分かりました。しかし私はあなたに同意しない」と
切り捨てる演者がいる。「言われた意味は理解した。分かった」と言葉の意味の理解の確認が必要なのは内容が難しく、理解が困難な場合のみである。そうでな
く「分かった」というのは、分かったという結論を言うためではなく、同意、了解しない相手を高圧的に切り捨てることを正当化し見せかけるための言葉であ
る。「分かった」と言ったら「だから」あるいは「分かったことに基づいて」と続けるべきである。<br />
「しかし」と続け、相手や論理を切り捨ててはいけない。<br />
<br />
教育的講演は、講演内容と洞察において、聴衆よりも演者が圧倒的に知識や力量が勝っている場合のみ成り立つ。小中学校や高校の授業、大学の講義はその例で
ある。能力が卓越していなくても、経験して考えたことや、文献を読んで勉強した知識を演者として提供することは価値のあることであるが、この場合は教育的
講演ではなく議論のための話題・資料提供とし、提供した後は対等に議論することが良い。研究者あるいは指導者、専門家であるかのように、教師的立場で講演
しようということは適切でない。<br />
演者が圧倒的力量を前提に指導的講演をした場合でも、演者に対する反論や、異議の提示があった場合はその時点で、教師・生徒の関係ではなくなるので、対等
な立場で議論すべきである。講演内容が稚拙で、指導になっていない場合でさえ、聴衆に対して「自分は選ばれた講演演者で、自分が上である」と考えて講演
し、質問には適切に回答せずに教師として解説しようとする演者がいるが正しくない。質問に対して正当な回答ができないとき、それを反省・解決しないまま、
別の場で次の講演を行う演者がいるがすべきではない。まじめで的確な異論を受け付けず、適切な回答、議論をする意思と能力がない場合は教育的講演の演者に
なるべきではない。演者に責任があるとともに、演者を選んだ主催者にも責任がある。<br />
<br />
客観的事実や法則の存在や正しさを知る人と知らない人の違いは、知識の違いであって考え方や立場の違いではない。議論に必要な客観的事実や法則を理解して
いて初めて議論は可能である。参加者が議論するための知識が不足している場合、参加者は演者に、対等に知識提供を依頼してよい。演者は参加者に、有効な議
論を行うため議論に必要な知識を提供する義務がある。議論に必要な知識を演者自身がもっていないことに気づいた時は、演者は、質問者、発言者から教えても
らい、謝辞を述べる、その上で議論に復帰する。知識の提供は議論ではなく議論の準備過程である。議論の対象は知識ではなく論理、考え方である。議論に当
たって必要な知識は互いに提供し、知識を共有した上で議論をすることが健全なあり方である。<br />
相手を見下す解説はすべきでない。回答や解説は相手の発言を制止するためではなく、発言を促進、発展させるために行う。<br />
正当な反論をする能力がない時、細かな数値や約束事の知識をひけらかして、論点をすり替え、相手の異論や反論を抑えるべきではない。正確さを要求することで相手の主張や発言を封じることは、代表的な反則技である。相手の発言を抑えようとする言葉は、全て誤りである。<br />
<br />
日本文化では、事実と認識を区別しないこと、知識の有無と意見の区別を明瞭に区別しないことが往々にしてある。これは克服すべきである。この理解なしに正
当な議論はできない。自分の知識・理解不足を、「意見・立場の違いだ」と考えることや、説明されることを拒否して強引に押し切ること、それらを容認するこ
とは、健全な議論を阻害する。<br />
議論の前提となる基礎知識を提供しようとすると、「考えを押し付ける」、「理解しないのは、説明のしかたが悪いからだ」、「面倒な話しをもちこむな」など
と、説明を受ける人だけでなく、聴衆や座長が、説明する人を非難、排除することがある。誤りである。知識の欠如は説明する側の責任ではなく、知識がない側
の責任である。会をこのように運営するのは、知識の欠如と考え方の違いを区別しないことと議論のルールを理解せず、恣意的に会や「議論」を進めようという
誤った認識と精神に由来するものである。<br />
<br />
演劇鑑賞やスポーツ、会食などをするとき、ルールを無視して強引に押し通し、その場を仕切る（コントロール＝支配する）人がいると、その場は台無しにな
る。学会・研究会における発表や議論も同様である。自由で知的、健全、有効な議論を保障し、行うためには、ルールの理解と自覚と、ルール違反を容認せず、
知的で自由な議論の場を保障しあう参加者の自覚と発言が必要である。<br />
<br />
議論や論理には、好き嫌いや個人の考え・立場とは関係なく客観的法則があるということを理解していれば、自分の論理が成り立たないときに、自分の論理・判
断の敗北を認め取り下げることができる。この場合、論理の誤りを認め取り下げることは、単に論理の敗北であって、相手に対する人格的屈服や非難を意味しな
い。一方、論理が破綻しても撤回せず、強引な言動を続けることは容認されるべきでない。強引に続ければ、議論と会合を破壊することであり、不公正な人物と
して人格的社会的評価を下げる。これが健全な議論のあり方であり、欧米では日常的な常識である。自分の意見に対して異論や反論が出た場合は、「相手の異論
が誤りであること」を論証して論破するか、自分の誤りを認めて撤回するかのどちらかだけが正当な回答・対応である。中間はない。あいまいな言葉を使ってご
まかすべきではない。誤りがあった場合は、自分の誤りを認めて撤回することだけが正当な対応である。このような議論は健全に行えば、敵対、非難、攻撃など
人格的対決にはならず、楽しく議論できる。友好関係は損なわれずむしろ強まる。<br />
<br />
●主催者・座長の役割<br />
良い議論をするためには、座長と主催者が良い議論をしようという意思を持ち、議論に十分な時間を用意することが必要である。<br />
座長の役割は、参加者からの適切な発言をていねい、適切に取り上げ、良い議論ができるように、発言を生かして、議論を発展させることである。十分な時間を
準備したのに、参加者から良い意見や質問が出ない場合は、参加者の一人として座長が良い意見、異論や質問を述べ、議論を引き出すこともよい。参加者に発言
させないことや、演者や座長による価値のない時間あわせの発言はすべきではない。<br />
座長の役割は、質問、発言、回答が適切に行われ、ルール違反がないように注意し、健全な議論を進めることに責任を持つべきである。日本では、演者だけでな
く、多くの場合、座長が率先してルール違反を行い、健全な議論を妨げている。参加者も、議論するのではなく、まるで生徒のように教えていただくことや、相
手の価値を低めるたにけちをつける、意見でなく感想を述べることなどを、良い発言であるかのように誤って理解し議論を妨げていることがある。良い議論をす
る認識、自覚、技量がないことによる。<br />
共通の結論に達しようという意思がなく、自分の思い込みや経験や教訓、感想を一方的に述べるだけの「活発な」発言は、見た目が活発でも良い議論ではない。日本では、多くの学会や研究会、シンポジウム、講演会が議論の場として機能していない。まずいことである。<br />
「時間がありませんので」と言って発言を止めさせるのは時間がなくなったからではなく、主催者と座長が、あらかじめ、良い議論をするという意思をもってい
ないことと、議論のための十分な時間を用意していないことによるものである。議論するためには、発表の倍か、少なくとも発表と同じ時間を議論の時間として
準備することが必要と私は考える。<br />
座長は、「講演がなされ、若干の発言があり、つつがなく終わること」をもって自分の責任を果たしたと考えていることが多いが、誤りである。良い議論ができ
たかに関心がなく「多数が参加し、成功しました」とまとめる座長はまずい。良い議論をすることを目標とし、座長の評価の基準にすべきである。共通の結論を
目指すことなく、見かけ上活発な発言があっただけの言葉のやり取りだけでは不十分である。<br />
<br />
●まとめ<br />
学会、研究会などで、発表、議論することをテーマに以下の考えを述べた。<br />
1.　発表、議論は、日記や感想、随筆、ひとりごととは異なり、相手やそれまでの一般認識とは異なる自らの判断と、その判断が合理的であり価値があることを主張し、相手と結論を共有しようとする言葉の往復である。<br />
2.　発表、発言、質問、回答、議論に際しては、相手に敬意を持ち、まっすぐ、真剣、ていねい、誠実な言葉で発言し、的をはずさない的確な回答を述べ、そ
れが相手に了解されることが大切である。相手を威圧、ごまかし、切り替えし、はぐらかし、無視など、自分の発言や回答に対して、異論や発言を制止すること
はルール違反で健全な議論を阻害する。<br />
3.　座長、司会者は、かみ合った的確で健全な議論をすることを最大の役割と考えて会を運営すべきである。座長が議論を妨げる運営をしてはいけない。<br />
<br />
学会や研究会活動において、優れた言葉を使い、健全で有効な発表と議論をするためには、言葉、論理、議論についての基本的知識と能力、自覚を持ち、発言することが必要である。<br />
健全で有効な発表、議論は、一人ひとりが「自分は、自分ならこう考える」という自分の見解と、的確に主張する能力を持って自覚的な発言をし、健全な議論を
大切にする文化を持って初めて可能になる。より深い真実に迫る、知的で自由な発言、健全な議論は楽しくできるものである。学会発表や論文発表と議論は知的
言論活動そのものである。<br />
価値ある学会、研究会活動、発表活動に役立つことを企図して、発表と議論の仕方についてまとめ、考察した。]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>Vol.383　論説「よい発表、良い議論を行うために」―健全な発表と議論のためのルールと心得―（その1／2）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://medg.jp/mt/2012/01/vol38312.html" />
    <id>tag:medg.jp,2012:/mt//1.1902</id>

    <published>2012-01-26T21:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-29T16:25:27Z</updated>

    <summary>仙台赤十字病院医学雑誌20巻1号　p7-15、2012年7月発行、2011年1月...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[仙台赤十字病院医学雑誌20巻1号　p7-15、2012年7月発行、2011年1月より転載です。<br />
<br />
仙台赤十字病院呼吸器内科<br />
東北大学臨床教授<br />
岡山　博<br />
2012年1月27日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[「よい発表、良い議論を行うために」転載にあたって<br />
<br />
「よい発表、良い議論を行うために」は、１０年以上前から発表したかった内容ですが、日本的な社会的事情もあってできず、2011年、東日本大震災直前
に、ようやく文章化したものです。本論は、医学研究発表や症例発表を行う若い医師と、医学関係学会や研究会を主催する、指導的医師・研究者を対象に、日本
の諸学会や、研究会を、より有効に健全な議論ができる場にしたいと考えて書きました。特に、学会や研究会を主催、あるいは座長をする指導的医師や研究者に
読まれることを期待しています。<br />
しかし、本論で述べた内容は、研究発表に限らず、日本社会における、様々な会議や会合、個人的な日常会話に共通し、日本社会と日本文化、そこに生き活動し
ている個人と集団の発言・判断・行動様式の傾向として普遍性を持っています。中国や欧米を始め多くの社会の人が本論を読むと、小学生でさえ自覚してあるい
は無意識にやっていることでもあり、あまりにも当たり前の内容が多いために、なぜ文章化し主張するのか分からない部分が多いと思います。<br />
「発表」という言葉を「自分が言葉を言う」と置き換えて、現在の日本社会の文化論として、お読みください。「言葉と日本社会・歴史・文化」等、削除した未
完成文章があります。いつか、文化論としてまとめたいと考えていますが、何時になるか未定です。ご関心ある方はご連絡下さい。<br />
<br />
＝＝＝＝＝<br />
●要旨<br />
健全で有効な発表や議論をするためには、優れた言葉、論理、議論についての基本的知識と自覚、能力が必要である。発表、議論するとは何か、良い発表、議論とは何か、発表活動に役立つことを企図して、発表と議論の仕方について筆者の考えをまとめ、考察した。<br />
1.発表、議論とは、自らの判断と、その判断が合理的であり価値があることを主張し、相手と結論を共有しようとする言葉の往復である。<br />
2.発表、発言、議論に際しては、相手に敬意を持ち、まっすぐ、真剣、ていねい、誠実な言葉で発言する。<br />
3.意見や質問には、的をはずさない的確な回答をし、それが質問者に了解されること。ごまかしや打算などのルール違反は健全な議論を妨げる。<br />
4.座長、司会者は、良い議論をすることを役割と考え、運営すべきである。<br />
 <br />
●はじめに<br />
発表（Presentation）とは、新たな知見や判断と、それが発表する価値があることを主張することであり、そこでの発言、議論
（Discussion）とは参加者と演者が結論を共有しようとする言葉の往復である。自分の考えや研究結果を口頭あるいは文書発表する際、良い発表と
は、1.発表するにふさわしい結論、主張、価値があること、2.事実提示、論理・構成が適切であること、3.質問や意見に対して適切な回答、議論をし、参
加者の合意・承認を得ることである。<br />
そのためには、発表の基本姿勢、適切な言葉の選択、適切な言葉の応答が重要である。良い発表、発言、議論に役立つために、発表と議論の基本的あり方考え方
と、方法・仕方について、筆者の考えを述べる。発表には、口頭発表、教育的講演、シンポジウムなど聴衆に対して直接話すものと、論文発表があるが、本稿で
はこれら全てを含めて、「発表」という言葉でまとめて論じる。良い発表と議論を行うためには演者だけでなく、発表の会を運営する座長・主催者と質問、反
論、発言など会場参加者の適切な関与・参加が必要であり、これについても述べる。<br />
　<br />
●発表の仕方<br />
1）発表内容<br />
研究とは誰もまだ知らないことを明らかにすることである。「論文・学術発表」とは、それまで誰も知らない新たな事実あるいは判断を提示し、その判断が正当
であることと価値があることを論証して主張することである。研究発表、論文で述べるべきことは、事実と、それが何を明らかにしたかという結論、その論理
（根拠）、明らかにしたことの意義である。述べるべきことはほとんどこれに尽きる。それ以外の言葉はこれを述べるための条件作りに過ぎない。<br />
単なる経験発表や、文献紹介は、新たな見解を主張する研究発表ではなく、交流や勉強のための話題・資料提供である。解説や総論も、新たなオリジナルな主張
を提示した場合のみ発表といえるが、それがない場合は、資料提供である。資料提供はそれとして価値があるが、オリジナルな主張を結論とする研究発表とは異
なる。<br />
<br />
2）発表を行う基本姿勢<br />
発表、講演、講義、発言を行う時の基本は、相手や聴衆に「敬意」を持ち、「まっすぐに」、「真剣に」、「ていねいに」、「誠実に」、発表することである。<br />
敬意とは、相手をみくびり、軽んじないこと。まっすぐにとは、自分の都合、ごまかしなど打算をいれないこと。真剣にとは、相手に熱意を持って伝えること
と、思考停止をせず全力をかけて、自分としての判断結論を出すこと。ていねいにとは、自分の言ったことにごまかしがなくそれでよかったかを吟味すること。
誠実にとは、自分を偽らず、相手を偽らず、相手の不利益になることを仕掛けない、相手を陥れないことであるであるが、前四者と重なる内容を含んでいる。<br />
<br />
3）言葉の選択<br />
述べるべきことは結論である。個々のパラグラフ（ひとつのまとまりを持った文の小集合。段落に近い）においても発表全体においても、結論・判断を明確に述べる。<br />
留意点を以下に列挙する。<br />
<br />
・　事実と認識、評価を明確に区別して表現する。客観的に存在している事実は、力強い言葉で明確に表現する。「である」「であった」と表現すべきことを「となった」「と認められた」と表現するのは良くない。<br />
・　不要な受動文を使わない。<br />
・　論理的であること。個々のパラグラフや、全体の記述中に、相容れないものがあってはいけない。論理が適切で一貫していることが必要である。論理的で簡潔、明確な言葉を使う。一貫しない、論理に矛盾のある言葉を使わない。<br />
・　全体の論旨とデータについて責任を持つだけではなく、単語のひとつひとつに責任をもつ。「言葉が正確ではありませんでしたが言いたかったことは・・・です」ということがあってはいけない。健全な議論を阻害する。<br />
・　言葉は明確に断言し、断言した言葉に責任を持つ。あいまいな言葉を使わない。「思う」「思われる」「可能性がある」「かもしれない」「示唆された」
「考えられた」などはあいまい表現である。「とされている」「と考えられている」の引用もあいまいでまずい。「感じた」はさらに不適切である。「可能性が
ある」「かもしれない」などの言葉は、発表者がいくつかの可能性を吟味し、他の可能性を排除した結果残っている可能性について述べる場合と、それまで誰も
可能性に気づいていない時に、新たな可能性として「可能性がある」と結論する場合だけ正当である。「・・・と考えた」もあいまいにする言葉なので避ける。
必要な吟味検討をせずに「考えた」と述べるのは適切でない。誰も考えていなかったことを初めて「考えた」場合にのみ「考えた」という結論を述べるべきであ
る。「私の考え、結論は・・・である」と断定した言葉を結論にすることがよい。この表現であれば、「・・・である」と提示された判断に対し、議論参加者は
異議、反論ができる。一方、「・・・と考えた（という行為）」が結論になると、厳密に正当な議論として「考えた」か、それとも「考えていないのではない
か」あるいは、「認識した」「確信した」「可能性の存在に気づいた」「期待した」「思った」などではないかという発表者の行為に対しての質問・議論にな
る。発表テーマの結論・判断という議論できる言葉を結論として述べるべきである。「考える」という言葉があいまい表現でなく、断定として使うことはありう
る。「あなたは考えないが、私は考える」という意味の場合である。言葉としては正しいが、「なぜならば・・・」と穏やかな言葉で、相手と共有する結論を得
ようとする場合以外は、相手を切り捨て議論を拒否するという意思表示であるので、言葉としては正しいが議論の姿勢としては、注意すべき言葉である。「思わ
れる」「考えられた」「可能性が示唆された」などあいまい語を重ねることはさらにまずい。「考えられる」は、自分の責任で考えたのではなく、自分の責任を
離れた自然現象であるかのように二重にあいまいにするので使うべきではない。<br />
・　単なる感想や吟味のない、場当たり的な予想や憶測、結論は述べない。だれも気づかなかったことを深く責任もって吟味したうえで予測し、予測したこと自体が発表の重要な結論・主張であることとして書く場合は述べる。<br />
・　暗黙の期待、当然のことだろうとして、必要な説明をせず、聴衆や読者に同調を求めることは良くない。含みのある単語や表現、言葉の裏を推測することを期待する言葉は使わない。論旨に必要なことは、責任ある簡潔・明確な言葉で全て表現する。<br />
・　接続詞を正確に使うこと。発表・議論は論理的であることが基本である。発表に当たって最も重要な接続詞は「したがって」「なぜならば」である。「しか
し」など、それまでの論理を翻す接続詞を、不適切に使っていることがしばしばある。「しかし」という接続詞はそれまでの文から予測されることに反する結論
を述べる時に使う。「しかし・・・・である」と述べたら、必ず理由を述べ、読者や聴衆の同意を得るための議論展開をする。それまで述べてきたことを、論理
も同意も無く、思考回路から切り捨てて押し切る言葉ではない。<br />
・　読者・聴衆に対して「期待する」等は相当の内容と決意なしに述べるのは価値がなく、無責任で無礼であり使用すべきではない。<br />
全ての言葉に責任を持って初めて良い発表になり、良い議論が可能になる。<br />
<br />
4）引用<br />
他人の論文や言葉の引用に当たっては、自分の論旨に関係する論文を断言して引用、紹介する。自分で責任を持たない伝聞、状況紹介や他人の意見の紹介、発表
者の評価をあいまいにしたままの自分の都合を優先した無責任な紹介はしない。引用文献を明らかにしない引用・伝聞は避ける。誤った論文もあるので、引用に
は責任を持つ。不同意を表明しない引用は全て正当であると判断したものとして、引用者に責任がある。引用文献内容に対する疑問や反論に答える義務がある。
応えられない引用はすべきではない。<br />
<br />
5）口演発表で留意すべきこと<br />
発表、講演、講義を行う姿勢の基本は口頭発表も文章発表も共通だが、口頭発表で追加留意すべきいくつかのことを述べる。<br />
論文、文書発表では、研究の背景説明など、しっかりした論理と引用が不可欠だが、口演では、全てを精密に述べるよりも、聴衆がその場で「なるほど、なるほ
ど」と納得しながら結論まで無理なく進めることが良い。精緻さよりも、明快でわかりやすい、納得しやすい口演をおこなう。すべてを言わなくても構わない
が、嘘を言ってはいけない。<br />
言葉は一音節一音節、一語一語はっきり丁寧に発音する。特に、結論・判断である文末と語尾ははっきりしっかり発音する。<br />
声が小さい、もそもそ言う、語尾がはっきりしないなどの発声をすることは、聴衆に伝えようとする熱意不足があることが多い。「・・・なので～・・」
「・・・けれど～・・」と文の途中を無意味に延ばしたり、強く発音すべきではない。結論の先延ばし、責任回避、ごまかしの準備であることが多く、判断、結
論を明確に述べることに反する。強く発音すべきは文末の判断、結論である。熱意や誠実がない発表や発言はすべきでない。<br />
<br />
6）経験交流、調査報告としての発表<br />
症例や調査、統計的な発表は目的によっていくつかのものに分かれる。他人とは異なるあるいはオリジナルな自分の判断を論理的に主張し、承認、合意を得ようとする発表であるかどうかが分岐点である。<br />
第1は、研究・学術発表としての症例報告や調査報告である。その症例や調査結果を提示することによって、新たな知見、価値ある判断・結論を証明主張するものが学術的な発表である。<br />
第2は、単なる調査結果の提示で、それなりのまとめ、コメントがあっても、独自の強い主張が無ければ基本的には事務報告である。<br />
第3は、経験交流や懇親、勉強会のための、話題提供である。医学会地方会などの多くの症例発表がこれに属する。発表の場は勉強会・経験交流会と称するのが
適切だが、学会、研究会と称することもあり、またこのような単なる経験症例を医学雑誌が掲載することもある。これは学術発表ではなく勉強・交流のための経
験の提示である。新たな発見、新たなあるいは発表者独自の知見や主張がなくても、論理的に考えたことを提示するだけでも了解される。しかしこの場合でも、
報告・提示する事実とともに発表の目的、価値を述べることが望ましい。<br /><br />
経験交流の症例提示は懇談の話題として話すだけでもよいので、その場合は会の目的によって自由に変えてよい。しかし、単なる懇談ではなく、座長・司会がい
る公的な会合であれば、上述したことは留意すべきである。内容のない、形だけの、何時でも使える言葉を「結論」として述べることや、結論と意義付けがあい
まいな発表は避ける。<br />
勉強会、交流会、懇親会で経験例を提示、論議することは有意義なことではあるが、このような症例発表と、新たな知見を発表、主張する症例発表を同列の価値
があると考えるべきではない。発表といえるのは、新たな独自の主張を結論とする第1のものだけである。第2、第3はねぎらいの対象ではあるが、新たな結論
と価値を主張するものではないので、研究発表や論文という言葉は不適切である。第2、第3を研究と称することや、その提示が主である集会を学会、研究会と
称することに筆者は不同意である。<br /><br />
（その2／2に続く）]]>
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    <title>Vol.382　被災地に「ふるさと納税」しよう</title>
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    <published>2012-01-25T21:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-25T21:30:01Z</updated>

    <summary>「週刊日本医事新報　第4574号（12月24日号）掲載記事「もし全国の医師が被災...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[「週刊日本医事新報　第4574号（12月24日号）掲載記事「もし全国の医師が被災地にふるさと納税したら」を一部改編したものです。<br />
<br />
尼崎市・長尾クリニック　長尾和宏<br />
2012年1月26日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[東日本大震災から9ケ月が経過。津波の被害地域では高台移転に悩み、原発事故の被害地域では先が見えない風評被害に喘いでいる。筆者は阪神大震災の経験か
ら孤独死を懸念し拙書「共震ドクター」（共著、エピック）にて、仮設住宅での引きこもり、アルコール依存症、うつへの対応や個人の二重ローン問題解消、震
災孤児への支援等を提言してきた。寒い冬を迎え被災地に行かずともできる支援を提案したい。世の中には様々な寄付や義援金があるが、経費がほとんどかから
ず確実に被災者に届く顔の見える義援金がある。正確には義援金ではなく、ほとんどが住民税として処理できる「ふるさと納税」を紹介したい。<br />
<br />
●1円も届かなかった義援金<br />
16年前、阪神大震災で居住していた古いマンションが被災した。全国の友人・知人から「義援金を寄付したからね」との嬉しい便りを頂いた。しかし結局義援
金は1円も届かなかった。何故か。住居が壊滅地区にあったため全壊、半壊が多く、マンションの自治会長として役所に文句を言っても「一部損壊で我慢してく
れ」という言葉に引きさがったからだった。結局全壊と半壊には義援金が配分されたが、一部損壊は無視された。補修費だけでも百万円単位の支出を要したが義
援金は届かなかった。阪神を経験したものとして義援金とはそのようなものだと知っているので、私は被災自治体に直接寄付をしてきた。（実はそれが今回の
「ふるさと納税」であることを後で知った）具体的には福島県相馬市の「震災孤児支援基金」に寄付した。相馬市がいち早く条例を制定し義援金の受け皿を作っ
たのでこの先駆的試みを成功させようとネット等で広く呼び掛けた。先日、立谷秀清・相馬市長（医師）から、義援金が奨学金として渡った子供たちの集合写真
を見せて頂いた。涙が出た。寄付してよかった！という実感が込み上げてきた。<br />
<br />
●知られていない「ふるさと納税」の趣旨<br />
「ふるさと納税」は2008年4月に公布された「地方交付税の一部を改正する法律」という一見地味な法律に基づく。しかし日本における税金の制度改革とし
て革命的なものだ。安倍晋三内閣時代に菅義偉総務大臣の指示のもと高橋洋一氏が設計した。これは住民税を納める自治体を納税者が選べる制度であるが、この
法律の革新性は日本初の「税額控除」である点であることはあまり知られていない。筆者は役所や税務の専門家のこの制度について聞いて回ったが、税の専門家
でさえこの制度に詳しい方は皆無であった。さらに実際にこの制度を利用したひとは極めて少ないことも知った。さて、たとえば1000万円の所得のある人が
どこかの自治体に100万円寄付したとしよう。もし所得控除なら所得から100万円引かれるので、もし税率が20％なら本来納めるべき税金から20万円が
控除されるだけだ。すなわち100万円寄付しても税金は20万円安くなるだけなので、納税者はこの寄付行為に対して80万円を持ち出すことになる。一方、
税額控除の場合は、所得ではなく支払うべき税金から100万円が引かれることになる。本来納めるべき200万円の税金から100万円が控除されることにな
る。この税制の本当の狙いは所得税においてＮＰＯ法人や独立行政法人への寄付を税額控除できる仕組みであったが、財務省の抵抗で断念された経緯がある。し
かしこの制度の趣旨こそ、今回の震災に活かすべきだ。<br />
<br />
●税額控除の実際<br />
まず自分が義援金を送りたい各市町村を決める。振込先はインターネットで簡単に見つけることができる。漠然と○○市町村に寄付をしてもいいし、○○市町村
のＨＰの中にある△△支援条例と具体的に選んで寄付をしてもいい。いずれにせよ送金すれば自治体から証明書付の領収書が発行される。これを確定申告すれ
ば、所得税は寄付金控除、住民税は税額控除が受けられる。合計の控除率は所得と納税額によって異なり概ね60～99％となる。地方税である住民税の住民税
所得割額の1割が限度というのが効いてくるので多額の寄付をした場合は控除率が低くなる。ちなみに年収1000万の人が10万寄付した場合は99％が控除
される。以下、簡単な控除率の試算を示す。1）年収1500万円の4人家族が100万円寄付した場合、控除率は53％。寄付額18万円の場合の控除率は
99％。2）年収2000万円の4人家族が100万円寄付した場合の控除率は58％。寄付額が26万円の場合、控除率99％である。控除率は概ね8～9割
程度と覚えておけばよいだろう。<br />
<br />
●医師が「ふるさと納税」する意味<br />
「ふるさと納税」は、自分の出身地という意味ではなくどこの自治体に対しても可能である。平均的な勤務医がもし20万円寄付すればその98％が税額控除さ
れる計算になる。自治体への寄付は、「ふるさと納税」そのものだ。しかも経費がほとんどかからない寄付、それが「ふるさと納税」なのだ。経費がかからない
顔の見える被災地支援になる。あくまで個人の住民税に対する税額控除であり、法人は対象外だ。勤務医も開業医も同じように寄付できる。「もしドラ」ではな
いが、もし全国の医師が医師会や大学や医局単位で一斉に被災各自治体に「ふるさと納税」したらどうなるだろうか。医師数100人の病院の医師全員が20万
円ずつある自治体に「ふるさと納税」しただけで2000万円もの寄付になる。もし大学病院で取り組めば億単位の寄付が可能だ。しかも経費がほとんどかから
ない。このようなことが出来る職能団体としては医師が頭に浮かぶ。被災地に喜ばれ、持ち出しは僅か。対費用効果は抜群だ。「ふるさと納税」は今後の税制を
先取りした制度だ。個人的には、税額控除率を本来の趣旨どうりに100％にして欲しいと強く願う。さらにそれをもし非常時には仮に120％とするなら、ど
んなに素晴らしい制度になるのだろう。被災地へのお金の分配は政治を通じての上流から下流への配分だけでなく、医局や大学病院単位での直接分配もあり得る
のだ。こんな非常時には、すでに存在する社会制度を有効に活用したい。医師会をはじめ大学の指導者や医局長先生には、被災地への「ふるさと納税」の呼びか
けを是非ともお願いしたい。]]>
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    <title>Vol.381　東京都北西部と埼玉県南西部の小児医療を守るための小児科医共同声明</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://medg.jp/mt/2012/01/vol381.html" />
    <id>tag:medg.jp,2012:/mt//1.1900</id>

    <published>2012-01-25T07:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-25T13:31:03Z</updated>

    <summary>日本大学練馬光が丘病院　小児総合診療科診療准教授　橋本光司 志木市民病院　病院長...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[日本大学練馬光が丘病院　小児総合診療科診療准教授　橋本光司<br />
志木市民病院　病院長・小児科部長　清水久志<br />
大泉生協病院　病院長・小児科部長　齋藤文洋<br />
国立埼玉病院　小児科部長　上牧　勇<br />
2012年1月25日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[練馬区の日本大学練馬光が丘病院（以下、日大光が丘病院）撤退、および志木市の志木市民病院からの小児科撤退により、4月以降の東京都北西部から埼玉県南西部に及ぶ広域の小児救急医療崩壊が避けられない状況になっております。<br />
<br />
日大光が丘病院と志木市民病院が都北西部と県南西部において、小児救急医療で果たしてきた役割は非常に大きく、日大光が丘病院は小児科常勤16名で年間
8,000〜10,000人の小児救急対応し、志木市民病院も現在年間約12,000人の小児患者に対応しております。また小児科病床もそれぞれ34床、
45床、同一医療圏の順天堂練馬病院は24床、国立埼玉病院は26床であることを考えると、日大光が丘病院と志木市民病院小児科の撤退で地域全体の60％
もの小児病床がなくなることなります。これは非常に重大な事態で、患者搬送の遅滞による大事故や病院小児科のドミノ倒しに発展しかねません。<br />
<br />
練馬区は日大光が丘病院の後継として、「日大と同等およびそれ以上」「小児科医15名」という公約のもと、日大存続を諦め、地域医療振興協会（以下、協
会）を選定しました。しかし、日大光が丘病院の引き継ぎ関係者によると、平成24年1月18日に開催された日大小児科から協会小児科への引き継ぎには、協
会側からは小児科医師は1人も現れず、代理人と称する他病院医師と協会側の引継ぎ責任者の2人が現れ、協会は日大が果たしてきた小児医療機能を引き継ぐつもりはないとまで明言されたと聞いております。また他の複数の診療科でも同様に、協会側の医師体制が整わず引き継ぎ業務が事実上、とん挫していることを確
認しております。<br />
<br />
このような実態は限られた医療関係者が知るのみで、このまま4月を迎えれば、医療現場そして患者さんに多大な混乱と後退が避けられません。私たちは強い危機感を持って現状を広くお伝えするとともに、都県境を超えた小児救急医療体制を守るために、東京都、練馬区をはじめとした関係機関が責任ある対応を早急に
取るよう強く求めます。<br />
<br />
以上<br />
]]>
    </content>
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    <title>Vol.380　挑戦し続ける人たち～ボストンからインタビュー報告　第2回　</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://medg.jp/mt/2012/01/vol3802.html" />
    <id>tag:medg.jp,2012:/mt//1.1899</id>

    <published>2012-01-24T21:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-24T22:15:50Z</updated>

    <summary>ハーバード大学リサーチフェロー 大西　睦子 2012年1月25日　ＭＲＩＣ by...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[ハーバード大学リサーチフェロー<br />
大西　睦子<br />
2012年1月25日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[みなさん、バングラデシュ人民共和国をご存じですか。インドの東側にある、イスラム教徒の多い国です。公用語はベンガル語で<!--[if gte mso 9]><xml>
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&quot;Times New Roman&quot;;color:black;mso-ansi-language:EN-US;mso-fareast-language:
JA;mso-bidi-language:BN" lang="BN">গণপ্রজাতন্ত্রী</span><span style="font-size:
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BN" lang="BN">বাংলাদেশ</span><span style="font-size:11.5pt;line-height:115%;
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mso-bidi-font-family:&quot;Times New Roman&quot;;color:black;background:white;mso-ansi-language:
EN-US;mso-fareast-language:JA;mso-bidi-language:AR-SA">が正式名称</span>です。人口密度が高く、貧困、衛
生状態の悪さ、教育レベルの低さなど、様々な深刻な社会問題をかかえています。ところでバングラデシュと日本は、いくつかの共通点があります。バングラデ
シュの国旗はご存じですか？日本の日の丸にとても似ています。違いは、日の丸が少し中心からずれていて、周りは美しい緑色です。彼らの主食は、日本と同
様、お米です。また、自然災害が多く、特に洪水による農業や経済の影響が問題となっています。<br />
<br />
今回は、バングラデシュ出身で、日本で9年間研究生活を経験され、現在ハーバード大学の教授であるモハメドSラッザク氏に、今の地位に至るまでの貴重なお
話をお聞きいたしました。とても前向きで明るいラザック教授ですが、インタビューをしているうちに、教授の人生に対する情熱の高さに驚きました。そんな
ラッザク教授との対談を是非ご覧ください。<br />
<br />
1．あなたのこと、自己紹介してください。<br />
私はバングラデシュで生まれ、4人の兄弟と1人の妹と、友達のように共に成長しました。私の父親はトップの政府幹部でした。そのおかげで、私は学校で教師
から特別な待遇を受けることができました。私は社会科学修士の道に進みたかったのですが、父親が医学部に入ることを強制しました。私たちの国では、父親の
権力がとても強いのです。<br />
私は、医学部での長時間本を読む勉強が好きではありませんでした。私は大学卒業後、研修医のトレーニングを終了し、すぐに世界を探索するために国を去るこ
とを決めました。運のいいことに、私は日本の文部省奨学生として選ばれ、長崎大学にて博士研究を行うことができました。さらに幸運なことは、長崎大学の博
士号コースでは、本を読むことより、多くの研究ができたことです。長崎大学では、病理学教室に入り、特に腎臓病理の研究をしました。この研究が、今の私の
研究テーマとなりました。長崎大学の恩師とは、今でも頻繁に交流しています。<br />
<br />
2．あなたにキャリアにとって重要な業績を教えてください。長期および短期の目標は何でしょうか。<br />
私は世界を探索し、様々な人々や文化と出会うために、20代半ばに母国を去りました。私の旅が、日本から出発できたことはとても嬉しいことです。私の過去
25年間の世界の旅における最も大きな業績は、誠実な人間関係が、いかなる成功の核心であるという認識したことです。私の認識が、人々の健康維持のための
研究に役立つことを望んでいます。私の研究室では、最近、高リン酸が健康を害することを発見しました。リン酸は、炭酸飲料、ファーストフードに多く含まれ
ています。ですから、そういった飲食物を避け、健康を維持しましょう。<br />
<br />
3．あなたは、どうやって自分を動機づけますか?　また、他の人たちを動機づけますか？<br />
生物医学研究は、私にとって単に仕事というだけでなく趣味でもあります。したがって、私の仕事に対する動機は、私の趣味に対する自発的な愛情から起こりま
す。予想できない、考えもできなかった研究結果は、私の探索心をより高めます。私たちの研究結果によって、人々の健康が改善する可能性は、私の最大の喜
び、興奮であり、モチベーションの維持や情熱を与えます。しかし、同僚たちの動機づけは容易ではありません。私たちハーバードの研究室には、世界中から留
学生がやってきます。彼らの能力、目的や背景は様々です。私のひとつのアプローチは、彼らの長所をみつけ、彼らができる範囲で励まし、前向きな環境を整え
るように努力します。<br />
<br />
4．あなたのこれまでに直面していた中で最も難しい状況は何ですか。<br />
臨床医になるか、研究者になるか、どちらの道を進むか選択したときです。私は大学卒業後腎臓内科医として、臨床研修を始めました。慢性腎不全の透析患者さ
んの治療に携わり、医療に貢献したいと思いました。しかし彼らの合併症に苦しむ状況を目の前にし、根本的な治療ができない現況に失望を感じました。しか
し、臨床は今の患者さんの診断治療ため、臨床研究は明日の患者さんの還元のためと自覚したとき、私は、よりよい明日のために今日を犠牲にして、研究の道に
進むことを決意しました。<br />
<br />
5．あなたの長所は何ですか。<br />
私の強さは、自分の限界を知っていることです。人生はたくさんのことをするには短すぎます。なので、私は自分の限界を改善するより、自分の長所を伸ばすことに努めます。<br />
<br />
6．あなたの短所、教えてください。<br />
私の周囲のひとに対する謙虚さと敬意は、しばしば私の弱さととらえられます。現在の「World of Show Business」は、一般的に謙虚でいることは難しいです。私は、最近の流行に自分自身を順応させることが、とても難しく感じます。<br />
<br />
7．あなたの日本のイメージを教えてください。 日本の人々にメッセージがあれば教えてください。<br />
私の日本に対する一番の印象は、人々から受けます。日本人は、礼儀正しく、思いやりがあります。私の日本のみなさんへのメッセージは、謙遜、誠実、勤勉さ
が核であるあなたたちの社会構造を、他の国に対応するために変えないで下さい。災害にあった方に伝えたいことは、あなたの無力感を絶望感に考えないで下さ
い。<br />
<br />
8．ハーバードのシステムに関して、他の施設と比べて、何がユニークな特徴と思いますか？<br />
私は、10年間以上ハーバード大学にいます。以前、私が働いていた長崎大学とハーバードを比較すると、全く違うシステムと思います。私のハーバードのシス
テムに対する印象は、世界中から最高の頭脳と精神をもった人材のリクルートをすることです。さらに重要なことは、現在の才能から将来のリーダーをみつける
ことです。オバマ大統領のように。<br />
<br />
ラッザク教授ありがとうございました。インタビューを通して、教授の深い人間性を感じました。教授の次の旅はどこなのでしょうか。また、旅の続きを伺いたいと思います。]]>
    </content>
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<entry>
    <title>Vol.379　解決志向の被災地支援</title>
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    <published>2012-01-23T21:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-23T21:41:02Z</updated>

    <summary>相馬フォロアーチーム　吉田　克彦 2012年1月24日　ＭＲＩＣ by 医療ガバ...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[相馬フォロアーチーム　吉田　克彦<br />
2012年1月24日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[●はじめに<br />
筆者は3.11の東日本大震災を機に、故郷である福島県内で復興支援を行いたいと思い、昨年6月から星槎グループ世界こども財団の支援を得て、相馬市で被
災者への心理社会支援を行っている。本稿では、筆者の専門とする社会構成主義的アプローチから被災地支援を考えていきたい。<br />
筆者の支援において、一つの大きな目標がある。それは数十年後に"「震災と原発事故のせいで人生が台無しになった」ではなく、「震災と原発事故があったけ
れど、ここまで自分なりに何とかやってきた」というナラティブを作る"ことだ。この目標を実現するためには、次の3つが重要だと考えている。一つ目は、
「原因探し（つくり）」ではなく「解決探し（つくり）」を行うこと。二つ目は、各自の力やリソースを生かすこと。三つ目は支援者が新たな問題を作り出さな
いこと、である。<br />
心理的危機介入におけるバイブルともいえるサイコロジカル・ファースト・エイド（PFA）では、援助者が行うことは「被災者に直接役に立つ情報の提供」
「現実的な問題の解決」「日常生活を取り戻すための支援」などであり、「被災者全てがトラウマを抱えている」などと援助者が勝手に決めつけて行動すること
を厳に戒めている。<br />
一つ事例を紹介しよう。なお、事例は許可を頂いた上でアレンジしてある。<br />
<br />
●震災の影響が疑われたパニック事例<br />
小学生の子どもの母親からの相談である。子どものパニック（かんしゃくと夜驚）がひどいという。母親は「余震が怖いのではないか、放射線への不安もあるか
もしれない」とのこと。そして、それらの行動が始まると母親は子どもに寄り添い、背中をさすり、落ち着くまでそばにいるという。さらに丁寧に聞き取りを続
ける。すると大人がいない場面（例えば、登下校中・トイレ・留守番時）にはパニックになっていないことも分かった。その上で「お母さん、お子さんが『そろ
そろパニックになりそうだ』という予兆はわかりますか」と聞いたところ。母親は首をひねり「わかりません」と答えた。<br />
そこで、「一週間後の面接までにパニックになりそうな予兆を確かめること」そして、「お母さんが背中をさすることでどれだけパニックの時間が短くなるか知
りたいので、パニックになっても背中をさすらないで見守る場面を一度作ってほしい。そばにいると何かしたくなると思うので、隣の部屋に移動してもよい」と
依頼した。<br />
翌週の面談、母親は「パニックになる予兆はわかった。そこで、その予兆が出た時に背中をさすらないように私が別な部屋に移動したら、娘が落ち着きました。
それ以来、予兆が出たら部屋を離れるようにしています」とのこと。母親の機転のきいた対応に驚き、今後も続けるように助言をした。その上で「パニックにな
らなかった日は寝る前にいつも以上にスキンシップをしてあげてください」と伝えた。その後も面接を続けているが新たな問題はなく、母子ともに元気に生活し
ている。震災や原発に帰属するような発言はない。<br />
<br />
●問題探求ではなく解決構築<br />
この事例は、ブリーフセラピーや認知行動療法（CBT）的な面接である。原因を探るよりも、問題が維持され続けている相互作用に焦点を当て、早期に解決した。<br />
PFAにあるように現実的な問題の解決のために直接役立つ情報を提供（助言）した。支援する側としては、「余震が怖いのではないか、放射線への不安もかも
しれない」という母親の言葉を重視しがちである。しかし、今、この母子が困っていることは「子どものパニック」なのである。パニックを解消しても不安が続
くなら、そこで初めて不安について扱う支援をすればいい。不安ばかりに注目して月日が経ってもパニックが続いていたのでは本末転倒だ。<br />
<br />
この事例から、もう一つわかることがある。それは、「現在困っていること（問題）」の有無によって原因が構成されていき、問題を解消することにより原因も
なくなることもあるということだ。このような現象はよくある。例えば、ひとり親家庭で貧しい幼少期を過ごした子どもがいたとしよう。もしその子が立身出世
すれば、ひとり親家庭の貧しい幼少期のエピソードは美談となるし、非行に走れば悪の道に入る要因ととらえられうる。原因が結果を生むのではなく、結果が原
因を作り出すのだ。出来事は事後的に意味づけられていく。そう考えれば、「今は元気にしているけれど、心の傷は癒えていないはずだから、必ず問題が起き
る」と影の部分ばかり注目するのではなく「大変な中でも、ここまではそれなりに乗り越えてきている」と光の部分に注目することが大切だ。<br />
<br />
●心理社会的支援で重要なこと<br />
被災地支援に限らず、心理社会的支援では「原因を探す（つくる）」のではなく「解決を探す（つくる）」ことが重要である。それは、いま出来ていることやこ
れから出来ることを明確化することでもある。その結果、本人や家族の可能性を広げ、自尊心やモチベーションの維持向上にもつながる。（老若男女問わず）相
談者は弱者ではなく、力強く生きる一人の立派な人間なのだ。専門家に依存させるのではなく、自律（自立）の支援を心掛けていきたい。<br />
<br />
略歴：吉田克彦（よしだかつひこ）<br />
学校法人国際学園東日本大震災対策プロジェクト東北地区担当。相馬フォロアーチームスクールカウンセラー。<br />
1977年福島県いわき市生まれ。10年ほど神奈川県内で学校臨床を中心に活動し、その傍らNPOにて不登校引きこもりに関する家族支援を行う。東日本大
震災を機に、故郷福島県内での被災者支援に従事することを希望し、昨年6月から相馬市フォロアーチームで活動を開始。現在は、相馬市内の小中学校での学校
臨床を中心に活動。＜著書＞小学校スクールカウンセリング入門（編著、2008、金子書房）、ブリーフセラピー講義（共著、2011、金剛出版）等多数。]]>
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    <title>Vol.378　刑事罰で医療を縛ると国民の犠牲が増える～新型インフルエンザのパブリックコメント～</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://medg.jp/mt/2012/01/vol378.html" />
    <id>tag:medg.jp,2012:/mt//1.1897</id>

    <published>2012-01-23T07:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-23T15:30:38Z</updated>

    <summary>東京大学医科学研究所 村重　 直子 2012年1月23日　ＭＲＩＣ by 医療ガ...</summary>
    <author>
        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[東京大学医科学研究所<br />
村重　 直子<br />
2012年1月23日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[新型インフルエンザなど、未知の新感染症に関するパブリックコメントを、国が募集しています。締め切りは1月31日です。<br />
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&amp;id=060011701&amp;Mode=0<br />
<br />
下記は、私が提出した意見です。皆様にもご一考いただけますと幸いです。<br />
＝＝＝＝＝<br />
・国は、パブリックコメントを実施する際、国民が当該案件の全容を理解するに足る十分な情報、すなわち、すべての条文案を公開すべきである。<br />
<br />
・国が医療をコントロールする手法は、災害救助法や武力攻撃事態対処法等を参考にしていると思われるが、新型インフルエンザ等新感染症の対策においては、そのような手法は不適当である。<br />
<br />
・新型インフルエンザ等新感染症の対策における国の責務は、国民（ヒト）を規制することよりも、むしろ必要な物資（モノ）及び情報を確保し、それを国民へ迅速に供給することにある。<br />
<br />
・ワクチン確保を迅速かつ確実なものとするため、国内マーケットのみにおいて開発している脆弱なメーカーのみに頼るのではなく、グローバルマーケットにおいて開発しているメーカーからも入手する体制を整えてリスク分散する必要がある。<br />
<br />
・ワクチンを迅速かつ確実に国民へ供給する方策を、新型インフルエンザ等新感染症の発生前から国民に周知しておくべきである。<br />
<br />
・「V 2．(3) 医療関係者への医療従事の要請・指示及びこれらに伴う措置、臨時の医療施設の開設及び特例」及び「VI 1. 
物資の保管命令に従わなかった者等への罰則。」を削除すべきである。国の責務は、医療関係者の臨機応変な判断を阻害し行動を規制することではなく、国が発表する新型インフルエンザ等新感染症に関する情報に基づき、医療関係者がその専門性を生かした判断及び行動が可能となるよう、十分な情報開示を迅速に行うことである。罰則（刑事罰）を担保にして医療や物資をコントロールする手法や、補償と引き換えに医療従事させる手法をとるべきではない。新型インフルエンザ等新感染症による被害を受けたすべての医療関係者に対し補償すべきである。]]>
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    <title>Vol.377　スギ花粉飛散と花粉用マスクによる被曝防護について</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://medg.jp/mt/2012/01/vol377.html" />
    <id>tag:medg.jp,2012:/mt//1.1896</id>

    <published>2012-01-22T21:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-22T21:39:50Z</updated>

    <summary>共立耳鼻咽喉科　山野辺滋晴 2012年1月23日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス...</summary>
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        <name>医療ガバナンス学会</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://medg.jp/mt/">
        <![CDATA[共立耳鼻咽喉科　山野辺滋晴<br />
2012年1月23日　ＭＲＩＣ by 医療ガバナンス学会　発行　　http://medg.jp ]]>
        <![CDATA[まもなくスギ花粉症の季節が始まりますが、今年のスギ花粉飛散ではスギ花粉に含まれる放射性物質が問題となりそうです。そこで、今年飛散するスギ花粉は危
険なのかどうか、花粉マスクを用いて内部被曝を防護できるかどうか、この二点について一耳鼻科医として考察してみることにしました。<br />
<br />
林野庁が福島県他15都県のスギ林182ヶ所で行ったスギの雄花等に含まれる放射性セシウム濃度調査の中間報告[1,2]によると、スギの雄花に含まれる
放射性セシウム(Cs134+Cs137）の濃度は最も高いスギ林で1キログラム(乾燥重量)あたり約25万ベクレルと報告されています。この測定結果から人体が受ける放射線量が試算されており[3]、スギ花粉の飛散最高値2,207個／m3を用いて計算すると、成人がスギ花粉を吸入することで被曝する放
射線量は１時間あたり0.000192μSv、花粉の飛散期間4ヶ月間での累計では0.000553mSvになると試算されています。<br />
<br />
この林野庁による試算は、計測された放射性セシウムの最大値を含んだスギ花粉が約2000個／m3という大量飛散状態で4ヶ月間継続したという仮定での被曝量ですから、実際に発生するスギ花粉吸入による被曝は林野庁の試算よりかなり少なくなるはずです。スギ花粉が大量飛散する期間は数週間程度ですから、おそらく林野庁の試算結果より実際は10分の1から1000分の1といった単位で少なくなるはずであり、放射性物質を含んだスギ花粉飛散による被曝を過度に心配する必要はないと思われます。<br />
<br />
しかし、事前調査予測が外れて暫定基準値を超えた米が見つかったように、スギ花粉にも林野庁の試算結果より大量の放射性セシウムが含まれていたならば、前述の推測は成り立ちません。また、現在までのところ大気中に含まれている放射性物質の種類や量は公表されていませんから、スギ花粉が飛散する季節に大気中
の放射性物質の量が増えるかどうか実測して公表されることもないはずです。なぜなら、現在公表されている空間線量は大気中に浮遊する放射性物質からのガンマ線より、建物や植物といった大地からのガンマ線を反映しており、大気中の放射性物質の変動を知る上ではあまり参考にならないからです。<br />
<br />
放射能を放つスギ花粉が飛散するのではないかという住民の不安を払拭するためには、スギ花粉飛散開始前後で大気中ダストモニタリングを行い、大気浮遊塵中
放射性物質の変動を測定公開する必要があると思います。こうした大気中に漂う放射性物質の変動に関する情報が公開されなければ、スギ花粉が飛散する季節の間、社会に不要な混乱を招いてしまうことが危惧されます。<br />
<br />
もう一つスギ花粉飛散時期に問題となるのが、吸入による内部被曝を花粉用マスクで防ぐことができるのかという疑問です。花粉用マスクに関する報道[4]に
よると、「花粉用マスクをつければ、浮遊しているセシウムをほとんど吸い込まずにすみ、内部被曝量を減らせる。」「除染の際も、放射性物質が舞い上がる可
能性があるので、気になる人はマスクを着用すれば防げる。」と日本放射線安全管理学会学術大会で発表されていますが、こうしたマスクの使用方法は次の三つ
の観点から大変な誤解と言わざるをえません。<br />
<br />
第一に、花粉用マスクは30μm程度の微粒子までを除去するための性能を想定しており、放射性物質が粉塵として存在する場合に着用が推奨されているDS2
規格以上の防塵マスクや同等の性能を有するウイルス対策用のN95マスクほどの微粒子除去性能は持っていませんから、除染作業や内部被曝防護のために花粉用マスクを推奨すべきではありません。つまり、放射能の除染作業ではアスベスト除去作業と同様の危険性を伴うわけですから、除染作業において花粉用マスク
は使用せず、防塵マスクを正しく着用するように専門家として指導していくべきでしょう。<br />
<br />
第二に、たとえ花粉用マスクの生地が放射性セシウムを取り除くフィルター効果を持っていたとしても、マスクの効果を論じる場合にはマスク周囲からの漏れ率
を考慮すべきです。原子力安全委員会による「原子力施設等の防災対策について」という指針[5]によれば、95ページに記載されている表「家庭内及び個人
が利用可能なものによって口及び鼻の保護を行った場合の1～5μmの微粒子に対する除去効率」に記述されているとおり、マスクなどを口に当てて放射性物質
をフィルタリングする場合の除去効率は、人の呼吸方法及び生地の使用方法によって大きく変りうるものであって、緊急時に放射性物質から身を守る時以外には
花粉用マスクを内部被曝防護に推奨すべきではないはずです。このように、花粉用マスクは周囲からの漏れが多いわけですから、緊急時以外には防塵マスクや医
療用ウイルス防護マスクを被曝防護具として用いるべきです。<br />
<br />
第三に、花粉用マスクに製品規格が存在しない点も問題となります。国民生活センターが報道発表している「ウイルス対策をうたったマスク 
－表示はどこまであてになるの？－」という資料[6]に記載してあるように、風邪をひいた時や花粉対策として使用されるマスクには公的な認証や基準はあり
ませんから、市販されているマスクの中にはフィルター捕集効率が低いものがあり、消費者が誤認する恐れがあることにも留意しておく必要があります。つまり、花粉用マスクとして販売されていても、そのマスクに花粉を取り除く効果が十分にあるとは限らないのです。実際に、新型インフルエンザが流行した時期に
市販されたN95「相当」とかN95「準拠」といったマスクにも十分な性能はありませんでした。<br />
<br />
上述のように、市販されている花粉用マスクは、マスク周囲から入ってくる空気が多く、必要なフィルター性能がない場合もありますから、吸入による内部被曝
を防護する目的で用いるべきではありません。したがって、除染作業を行う場合には、検定基準があるDS2防塵マスクやN95マスクの使用を専門家は推奨す
べきです。どうしても花粉用マスクを被曝防護目的で使用する際には、内部被曝を防ぐための必要十分な効果が期待できないことを承知の上で、布テープなどでマスク周囲を密閉して漏れを無くすとともに、半日程度で正しく使い捨てしながら、緊急時のみの使用に留めるべきでしょう。また、東北や北関東各地で大気中ダストモニタリングを開始し、スギ花粉を含む浮遊塵中の放射性物質の変動を情報公開することで、スギ花粉と放射能に対する人々の不安を払拭していくべきで
はないでしょうか。<br />
<br />
参考資料<br />
[1]http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/hozen/111227.html<br />
[2]http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/hozen/pdf/111227-01.pdf<br />
[3]http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/hozen/pdf/111227-02.pdf<br />
[4]http://www.asahi.com/science/update/1201/TKY201111300873.html<br />
[5]http://www.nsc.go.jp/anzen/sonota/houkoku/bousai220823.pdf<br />
[6]http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20091118_1.pdf<br />
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